龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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宮坂道夫『弱さの倫理学』お読む。

2025年02月01日 07時30分00秒 | 本を読む
どちらかと言えば学術的な論文。

もちろん本人はあとがきで、文献精査に頼らず、むしろ問題を中心に据えて論じた、と書いている。

それでもずっと読んでお付き合いするのは大変。
次のことだけ拾って終わりにしました。

「もっと視野を広げれば、特別に弱い人たちの利益を保護する責任を、誰が負うべきかという議論を根拠づけることができる。責任の範囲は、他人の状況や利益に対するコントロール、および他人の利益が危機にひんしている程度に比例するように、脆弱性の程度に応じて評価され、その責任は、弱者が弱者となった原因とは無関係に規定される。誰がその状況を引き起こしたかではなく、誰がその状況を改善する立場にあるかによる。日本風に言い換えれば、自己責任論は否定され、誰が悪いのかという犯人探しも不要である」

この結論が何の留保もなく適用できるわけではないが、ここで論じられたこの本の筋道をたどって得られた結論として、価値がある。

「人に忍びざるの心」(孟子)
を、内面的な徳に還元するかどうかではなくて、ね。



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