風月庵だより

猫関連の記事、老老介護の記事、仏教の学び等の記事

『てらスクール』の功用

2009-01-25 18:08:19 | Weblog
1月25日(日)晴れ【『てらスクール』の功用】

先日、姪の娘が遊びにきました。いろいろと話している内に、「だるまさまとえかさま」と言いました。「あのね、だるまさまとえかさま」

話の脈絡もなく、突然言われたので、すぐにはピンときませんでしたが、それは「達磨さまと慧可さま」のことでした。去年の夏に遊びに来たとき、『てらスクール』という小冊子を姪の娘にあげたのです。『てらスクール』は、曹洞宗宗務庁から出版されている、子ども向けの月刊誌です。この中に去年の4月から、「中国禅のお坊さん」というタイトルで私が書かせていただいています。姪の娘は、そのタイトルを言ったのです。そして、そこに書いてあるストーリーを、書き手である私に聞かせてくれました。

姪の娘は小学校5年生です。『てらスクール』もだいたいその年頃の子どもさんたち向けに編集されているのではないでしょうか。私の「中国禅のお坊さん」はそのくらいの年齢の子どもたちになんとか理解してもらえれば、と願って書いています。なんといっても、禅の悟りを得た祖師たちのエピソードを書いていますので、子どもさんに分かるように書くというのは、実は大人向けに書くよりも難しいと、いつも思いながら書いています。しかし、小学生の頃に少しでも禅の世界にふれてもらい、記憶の片隅にでも禅僧の名前や、その逸話などが、少しでも刻まれていて欲しい、と願って書いています。

禅の世界の面白さに惹かれて生きている私としては、お寺の子弟は勿論のこと、『てらスクール』を読む子どもさんたちに、禅の世界に興味を持って貰いたいと願っています。大学に入って、或いは修行道場に入って、急に「禅」とは、とその教えにふれていくのも、勿論フレッシュでよいでしょうが、少々難しい大学の授業に突然入るよりは、子どもの頃から、達磨さまや慧可さま、慧能さまや馬祖さま、百丈さま、雪峰さま等々中国禅のお坊さんにじわじわと触れていてくれていたら、これを読んでいたお子さんたちは、多少入りやすいのではなかろうかというのが、私の意図ですが、はたしていかがでしょう。

なんでも「ある日突然」起きるように感じますが、何事も多くのことは、子どもの頃からじわじわと忍び寄っているでしょう。

悪い例としましても、そうでしょう。例えば、パソコンにしましても、私のパソコンの場合、時々調子が悪かったのですが、ある日突然全くウンでもなくスンでもなくなってしまいました。居眠り運転も最近してしまいましたが、少し眠気が襲っていたのです、そしてそのうち急に眠り込んでしまったのですが。なんの前触れもないことは少ないです。

全てはじわじわと忍び寄っています。そしてある日突然のように強い現象は現れるのだと思います。悪いことに関しては、「転ばぬ先の杖」を考えることが必要だと痛感しました。一方良いことに関しては、熏習(くんじゅうー香りがしみ込むように、習慣的に働きかけることによって、影響や作用を植え付けること)でしょうか。良きに付け悪きに付け、多くのことは積み重ねですね。パソコンと居眠り運転の例は少し、適切な例ではありませんが、私に起こった出来事でしたので紹介してみました。

『てらスクール』の連載は3月で終わりですが、当ブログで、お子さん向けには書ききれなかったことなどを、少しずつ振り返って、項を改めて書き足してみたいと思います。『てらスクール』の拙稿を、姪の娘が暗記するほど読んでいてくれて、大変嬉しかったのです。なお拙稿と言いましても、編集部の方々のよきアドバイスがあり、何回も書き換えまして、子どもさんに読みやすいように仕上げていますので、著者は私と編集部の方とも言えます。来週は少し、「中国禅のお坊さん」について書いてみたいと思っています。この頃はあまりログを書きませんで、ご訪問の皆様にはお許しを。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お世話になっています (ぜん)
2009-01-26 20:57:39
ご無沙汰しています
「てらスクール」は、長男が楽しみに見ています。
仏教について本格的に勉強していないものにとっては、ちょうどいい内容のようです。
寺院の子弟にとって、貴重な読み物です。
返信する
ぜん和尚さんへ (風月)
2009-01-27 14:41:30
コメント有り難うございます。ご長男さんも楽しんでくださっているとのこと、「てらスクール」の年齢層の広さに、「てらスクール」の役割を改めて感じました。

嬉しい情報のコメント感謝です。
返信する
ご無沙汰いたしております (飄変)
2009-02-01 21:46:40
連載、毎月の楽しみになっております。また、青年僧向け冊子の記事も拝読させていただいております。これからも、沢山、情報発信していただけますよう、どうぞ宜しくお願い致します。(^人^)
返信する
飄変さんへ (風月)
2009-02-02 14:51:01
ご愛読いただき有り難うございます。今月の半ばには本を出版させていただく予定です。ブログのほうはなかなか書く暇がないので、すみません。勝手なことを書いてばかりで恐れ入りますが、批判を恐れていては、依怙地になってしまいますので、自分の意見を発信させていただいています。反論などもお聞かせください。宜しくお願いいたします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。