4月8日(月) 天気=晴れ
06:55鳩ノ巣駅駐車場→(自転車)→ 07:10~18古里駅前→ 08:14スマド山分岐→ 08:54~09:01赤杭山→ 10:23曲ヶ谷北峰→ 10:32~11:12川乗山→ 11:24舟井戸→ 11:57~12:00大ダワ→ 12:15コブタカ山→ 12:30~51本仁田山→ 13:10チクマ山→ 13:15ゴンザス尾根分岐→ 14:00鳩ノ巣駅駐車場
春の陽気に誘われ奥多摩へ出掛けました。目指すのは川乗山、東京近郊では人気のある山です。私にとっては30年ぶりの再訪、前回は逆川の沢登りだったと記憶しています。
早朝に我家を出発、途中コンビニで朝食を済まし7時前には鳩ノ巣駅前の駐車場に到着した。綺麗なトイレが併設された駐車場は、この辺では珍しく無料で登山者にとって貴重な存在です。でも休日は早くから満車になるのだろうなあ。
此処から自転車で一つ隣の古里駅まで移動、古里小学校前の駐車場に自転車を畳んで残置する。国道411号沿いに「川乗山登山口」と書かれた大きな標識があったので、それに従い登って行く。傾斜地に固まる集落はすぐに尽き、鬱蒼とした樹林帯を登って行く。今日は朝から暖かく上着を脱いでアンダーシャツだけで丁度いい。登山道沿いの森林は良く手入れされている。真新しい標識に「地球の環境を守るため森林の間伐をしました。」という趣旨が記されている。
古里の川乗山登山口
やがて尾根に到達すると左手の斜面には巨大な石灰採掘現場が現れた。確か35年程前、この赤杭尾根を降った時にも存在したのを覚えているから随分長く続いている。スマド山の西山腹を巻く頃には傾斜も緩み、赤杭尾根に出ると川井駅側の登山道と合流する。この頃には石灰採掘現場の操業が始まり、絶え間ない騒音が響き渡っている。以前だったら「せっかくの山の雰囲気を壊された。」何て文句の一つも出るところ。でも今はプータローの身、勤労されている方々にエラソーな事言える立場ではないから、黙して騒音から遠ざかるべく脚を早めるだけです。
山腹の巨大石灰採掘現場
赤杭尾根は長大だが緩やかなのでとても歩き易い。途中の赤杭山(924m)は平坦なピークで棒ノ折山方面の眺めが良かった。尾根をさらに進むと狭い砂利の車道に出た。最近造営されたようだが、既に一部が土砂崩れ等で崩壊している。車道をしばらく進むと「川乗山→」と記された案内板があり、それに従って急な登山道に入りジグザグ登って行く。この辺りで標高1千mくらい、日陰には残雪も見受けられて吹く風も冷たい。泥道が続くのでスッパツを装着する。
赤杭尾根から本仁田山方面
川乗山が間近になった尾根道は、幅広い防火帯の草地を行くので展望も効いて快く歩いて行ける。やがて山頂標識が無い曲ヶ谷北峰に着いた。前方に初めて川乗山が姿を現した。緩やかな吊尾根を越えて川乗山(1363m)に到着、春の日差しの中ベンチ数脚と案内看板が設置された草原の山頂からは奥多摩の盟主、雲取山や富士山等の展望がとても素晴らしい。
曲ヶ谷北峰から川乗山
川乗山頂
川乗山から雲取山方面
川乗山から富士山
一人先着していた単独行の男性から要請され相互に記念の写真を撮りあう。狭山市から来たと言う男性は中々話好きな人だ。私が山頂に着いた時にも誰かと一生懸命携帯で話し込んでいた。そのうち単独男性がポツリポツリと登って来た。天気が良いとは言え平日なのに流石に人気の山である。40分程でランチタイムを終えた私は、山頂を後にする。曲ヶ谷北峰との鞍部から舟井戸に向け降って行く。右下に見える沢は30年ほど前に遡行した逆川だ。おぼろげな記憶だけど源頭部にゴミの集積があって、ウンザリした事を覚えている。ハイキング全盛期だったあの頃はマナーも悪く、中高年が主流の今の方が、山は随分綺麗になったと思う。
舟井戸で鳩ノ巣へ降る道と、尾根伝いにに大ダワへ向う道が分岐している。大ダワへの指標には「通行注意」と書かれた板が貼られている。けっこうアップダウンが多くて急峻なコースだからだろう。大ダワへの降りからは、前面にコブタカ山を配した本仁田山の姿が見えた。川乗山と本仁田山の鞍部、大ダワには小さな道祖神が祭られており、此処からも鳩ノ巣への下山道が分岐している。
大ダワへの下りからコブタカ山と右奥に本仁田山
いよいよ本仁田山へ向け最後の登り、大ダワから約15分の登りで着いたコブタカ山は、山と言うより本仁田山の肩という感じの地形、此処からも尾根通しに鳩ノ巣へ降るルートがある。更に樹林帯の急登を頑張るとだんだん傾斜が緩み、幾つかの看板が建つ本仁田山(1225m)に到着した。去年の11月に妻と二人ゴンザス尾根から登って以来の山頂だ。
二人の中年女性が先着しており、聞けば労山関係の山岳会所属していると言う。そのせいか山慣れて見える。5月は屋久島の山に登るそうで、私も以前5月に登った事があるから、しばらくその話題を語りあった。栄養補給を終えると二人の女性に挨拶をして山頂を後にする。
本仁田山頂
山頂から5分程で道が分岐する。右が一般ルートの大休場尾根コース、左のマイナーなチクマ山経由のコースを降る。前回妻と登ったルートだ。マイナーとは言っても踏み跡は明瞭で迷う心配は無い。急激な降りの後、僅かな登りでチクマ山(1040m)に着く。山頂とは名ばかり単なる尾根のコブに過ぎない。名刺大の紙に黒文字で「チクマ山」と小さく書かれていた。
チクマ山から5分程で道が分かれる。直進すればゴンザス尾根を降る道。左折して花折戸尾根コースを降って行く。この道は初めて歩く。鳩ノ巣の集落目指して直線的に落下する尾根道は、手入れの行き届いた樹林帯の中にひたすら続いている。中間地点辺りで樹林が途切れ、しばらくカヤトの原が続き右手に大岳山や御前山の展望が得られた。道の右側には鹿の侵入を防ぐ柵が延々と続いている。
ゴンザス尾根と花折戸尾根の分岐点
再び樹林帯の降りになる。木々の合間から鳩ノ巣集落の家々が確認でき降下するに従い、建物が大きくなってくる。大袈裟な表現だが着陸寸前の飛行機の窓から見える景色に似てなくも無い。そして右手にJR青梅線の線路が見えたと思ったらゴールの鳩ノ巣集落だった。民家の軒先を掠めて小さな青い鉄橋を渡るとゴールの鳩ノ巣駅駐車場14時ジャストで登山を終えた。登山口の標示が何も無いので、登りの時は登山口を見つけるのに一苦労かも知れない。
鳩ノ巣無料駐車場
トイレの水道で身体を拭き、すぐに車で出発、早く我家でビールが飲みたい。古里小学校前に残置した自転車を回収して一目散に我家を目指す。15時半に我家到着、何はさて置き、まずはビールを一飲み、喉越しが実に美味い。今日は天気にも恵まれて思い切り歩いた充実感があるからビールの味も格別だった。