平成24年6月6日
「金星の太陽面通過」という世紀の天文ショー当日の今日、嫌味なほど天気予報が当って涙雨の朝となってしまいました。とすれば晴れマークがあった新潟県へ行こうと車で出発しました。メンバーは「ぜひ一緒に観たい。」と昨夜我家に泊った岳友のI氏と我々夫婦の3名、関越道を北へ行けどもブ厚い雲は途切れず、「こりゃ駄目だな。」「こんな事やって我々も暇人だなあ。」ボヤキながら長い関越トンネルを抜けた途端、奇跡のように陽が差した。トンネル出口付近の土樽パーキングに慌てて車を停めて望遠鏡を組み立てると太陽に向けた。視野の中には太陽に接触したばかりの金星が、「観えたァー」と歓声を上げたのも束の間、数分で太陽は雲に隠れてしまい、再び現れる気配は無かった。我々は望遠鏡を車に積むと太陽を求め関越道を北上した。北陸道の米山辺りを過ぎた頃から日本海側より青空が拡がり始めた。やがて路上に陽が差した。上越JCT付近の大潟パーキングに車を停止させ望遠鏡を組み立てる。そして観ようとする直前、嘲笑うかの様に太陽は雲に隠れてしまった。だが天気は確実に良くなっている。待つ事数十分、再び太陽が現れた。望遠鏡で観る宇宙「白く輝く太陽とその表面に黒く浮ぶ金星」その姿は想像以上に厳かで神秘的なものでした。ふと辺りを見渡すと十名ほどの人々がそれぞれ観測に夢中です。物好きは我々だけでは無かったようですね。いやあ遠出した甲斐がありました。私の生きた証として今日の出来事は忘れないでしょう。(認知症になるまでは)同行したI氏と妻も同じ思いに違いありません。
望遠鏡の映像をカメラで撮影中
太陽面に浮ぶ金星