Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

山田洋次監督の映画「家族はつらいよ」は実に面白い。

2016年04月03日 | 映画・コンサート

 4月3日(日)

 月に一度以上のペースで映画を観てるから、私は映画好きの部類に入るだろう。映画好きにもそれぞれ好みがあるだろうが、私は非日常的なスペクタクルアドベンチャーものが大好きである。と同様にさり気なく日常を切り取った人情ものも嫌いではない。人情ものと言えば「男はつらいよ」の山田洋次監督が代表だ。彼の作品「家族はつらいよ」が公開されたので、さっそく映画館へ足を運んだ。

 映画の主人公平田周造(橋爪 功)は、定年退職後を悠々自適に暮らす高齢の男性だ。彼はある時従順な妻(吉行和子)から突然離婚届を突きつけられる。思いもよらぬ事態に、子供夫婦や孫も巻き込んだ大騒動が始まった。

 「西村雅彦」「夏川結衣」「妻夫木聡」「蒼井優」等出演者も実力派が揃い、この映画には悪人は登場しないけれど、善良な凡人の愚かさが描かれて実に可笑しい。長女の夫役を演じた「林家正蔵」も若い頃はヘタクソと思ったが、年齢を経て味のある役者になっていた。今の彼なら「男はつらいよ」のタコ社長もやれそうだ。

 場面の随所にヒネリも効いていて、周造が激高のあまり気を失い救急車で病院に担ぎ込まれたシーンでは、病床に駆けつけた長女(中島朋子)が「あの医者落語家みたいな顔してホントに頼りになるの」と嘆いた直後に、笑福亭鶴瓶が医者役で登場した時は思わず噴き出した。でも年老いて妻から突き付けられる離婚届、何だか他人事では無さそうで笑いの後にヒヤリと感ずるものがあった。

 久々に山田洋次監督が実力発揮した人情喜劇で、実に楽しい映画だった。できる事なら「男はつらいよ」みたいにシリーズ化して欲しいと思うけれど、山田監督は高齢だし、主役もあの世への旅立ちが間近そうな老夫婦なので、これは一寸無理なお願いかな。

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