Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

谷川連峰、平標山~仙ノ倉山登山

2016年04月10日 | 山歩き

4月9日(土)     天気=晴れ

07:18平標山登山口駐車場→ 08:24~36送電線鉄塔→ 09:13~19松手山→ 10:44~11:00平標山→ 11:43~49仙ノ倉山→ 12:24~13:00平標山→ 13:25~39平標山ノ家→ 14:20~25林道出合→ 15:15平標山登山口駐車場

 

 春の陽気に誘われて妻と残雪の谷川連峰へ出掛けた。目指したのは連峰西端の平標山で余裕があれば東隣の連峰最高峰の仙ノ倉山も登ろうという予定、朝4時起きで我家を出発した。スキーシーズンも終わりに近づいたせいか週末の関越道下りは空いており、7時頃に登山口の駐車場へ到着した。

 登山口駐車場

 通常ここの駐車場は有料なんだけどシーズンオフの今は無料で、トイレも閉鎖されて使えなかった。準備を終えて歩き始める。二居川に掛かる橋を渡ってすぐに登山口があり、初めから一気に登りの急登だ。しかしつづら折りの道は意外と歩き良い。先月の天狗岳では体調不良の為登山を中止した妻も今日は「もう少しペースをあげていいよ。」と言うくらい快調なのでホッとした。

 登山道入口

 黙々と登っていると同年輩の単独男性に追いついた。挨拶を交わしたら「川越の方ですか。」と聞かれた。彼は川越市の人で、今朝方三国峠の登りで私の車を抜いた時、車番の地名が同じだったので記憶していたらしい。少しは話して別れたが、その後彼とは平標山の山頂で再会する。

 約1時間の登りで高圧電線の鉄塔が立つ地点に着いた。展望が効いて眼下に見下ろす苗場スキー場のゲレンデは殆ど雪は残っていない。この辺りから残雪が増えて雪道歩きが多くなった。しかしグサグサの腐れ雪なので、アイゼンを付けるまでもない。

 送電線鉄塔地点

 鉄塔地点から苗場スキー場方面

 やがて傾斜が緩み森林限界を脱し、稜線の一角に達した。目の前にゆったりとした平標山の山頂が姿を現した。雪尾根をしばらく歩いて松手山(1614m)に着いた。山頂の標識は頭部分まで埋まっている。ここから平坦な雪尾根を進み、平標山の肩へ突上げる標高差200m余の急登になる。

 松手山手前の尾根道

 松手山山頂

 松手山から平標山へ続く尾根

 この急登が今日一番の頑張りどころで、息を荒げつつ登って行く。だんだん背後の松手山が低くなり平標山の肩に達した。後は山頂まで緩やかな尾根が続く。小さなアップダウンを幾度か繰り返して、10時44分、平標山(1984m)に到着した。

 平標山山頂

 今の時期山頂は雪に覆われているのが通常だが、今年は異常に雪が少なく山頂一帯の地肌は剝き出しになっていた。山頂からは360度の展望で西に聳える苗場山や奥滋賀の山々は真っ白な雪に覆われていた。

 山頂から苗場山方面

 しばらく休んで仙ノ倉山へ向う。そこに至る尾根はゆったりした起伏の草原で実に気持ちの良い道だ。仙ノ倉へ登る途中で「疲れたからここで待ってる。」と妻が言った。これから下山の道も長いので妻をそこで休ませ、私一人で仙ノ倉までピストンした。

 平標山から仙ノ倉山方面(三つのピークの真ん中)

 辿り着いた谷川連峰最高峰の仙ノ倉山(2026m)も山頂に雪が無い。ここも平標山に劣らぬ360度の大展望で、今まで見えなかった谷川岳や一ノ倉岳がそう遠く無い位置に望まれた。

 仙ノ倉山山頂

 山頂から谷川岳方面

 慌ただしく写真を撮り終えると山頂を後にして、途中で待って居る妻と合流し再び平標山へ戻った。山頂へ着いた時、「もう仙ノ倉まで行って来たんですか早いですねぇ」と声を掛けられた。今朝登る途中に出会った川越の男性だった。

 仙ノ倉山から平標山方面(遠くに苗場山)

 途中で待っていた妻と背後に平標山

 一緒に食事を取りながら少し会話を交わしたのだが、淡々と話す彼の話は重いものだった。「随分前に白血病を患い高価な薬を飲んで治療しているんだけど、あまりに薬代が高く又薬で体調も悪くなるので今は投薬を止めている。発症した数年間は落ち込んでいたが、これでは自分が駄目になると思い山を始めたんです。今は週に一度のペースで山へ行ってます。でも検査の数値が悪化してるので、又薬を飲まねばならないかも知れませんね。」と柔和な表情で話してくれた。

 そんな話に我々夫婦が安易に返す言葉がなかった。でも初対面の私達にそれを話す事で彼の気持ちが僅かでも和むならば、それはそれで良いのではと思った。彼とは「又何処かでお会いしましょう。お元気で」とさり気なく挨拶して別れた。

下山の道は平標山ノ家経由で降った。山頂から小さく見える山ノ家へ緩やかな降りで、雪道と夏道が交互に現れる。雪道では気をつけないと時折ボコッと膝上辺りまで踏み抜くから慎重に降った。

 平標山ノ家に向かう下山の道

 下山途中から仙ノ倉山

 山ノ家までもう少し

 平標山ノ家

 山ノ家はまだ閉鎖されていたが、屋外のシンクにはホースが引かれ冷たい水が迸っていた。山の家から河内沢沿いの林道まではジグザグの道で最初は踏み跡が錯綜した雪道なので少々難儀したが、途中からは雪も消え夏道に変わったので楽に降る事ができた。

 山ノ家から平標山を振り返る

 林道合流地点

 登山口へ戻る林道はけっこう長かったが、緩やかな降りが続いたので脚が勝手に前へ進んでくれた。40分程降った地点で「登山口駐車場→」と書かれた標識があり、そこから右に分岐する遊歩道を10分程歩いて登山口駐車場へ戻ってきたが、右折せずに車道を直進した方が早く楽に着いたような気がした。

 登山口へ降る長い岩魚沢林道

 登山口付近から見上げる松手山手前の送電線鉄塔方面

 車に乗ると3キロ程離れた日帰り温泉「宿場の湯」へ向かい、山の汗を流す。ここは料金600円で広い休憩室や食堂もあって中々充実しており、近くにあるまだ営業中の田代やかぐら・みつまたスキー場で滑り終えた人達が立寄ってけっこう混んでいた。

 今日はポカポカ陽気で天気も良かったし、前回の登山では不調だった妻も元気に歩き通した。ソコソコの雪山気分を味わえて満足の山歩きだった。

コメント
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