4月25日(月) 天気=晴れ
05:31ドンデン山荘→ 05:54アオネバ十字路→ 06:30マトネ→ 06:45~50石花越分岐→ 07:16ツンブリ平→ 07:30~43真砂の峰→ 07:49いもり平→ 08:18天狗の休場→ 09:24~51金北山→ 10:26 神子岩→ 10:51じゅんさい池→ 10:59栗ヶ沢登山道分岐→ 11:39~49横山登山口→ 12:20秋津バス停→ 13:10両津港
今日の好天を約束するような真紅の日の出が昇った。これから向かう金北山もクッキリ浮かんで見える。朝5時半頃ドンデン山荘を出発する。20分程で昨日登ってきたアオネバ十字路に着いた。ここからマトネの山頂までは標高差170m程の登りになる。今朝は風も無くTシャツ1枚でも暖かい。アオネバ十字路から35分程で着いたマトネの山頂からは目指す金北山や両津市街地が望まれた。
ドンデン山荘の日の出
山荘から金北山
マトネから金北山方面
ここからは幾つかの小さなピークを越えて行く。道沿いには青いカタクリの花?がいたるところ咲き乱れ、優しげに登山者を和ませてくれる。マトネから緩やかに降った鞍部が「石花越分岐」で石花集落へ降る道が右に分岐している。分岐から小さな樹林のピークを越えた先が広々とした砂地の「ツンブリ平」で、テントが幾つも張れそうな明るい台地だ。ツンブリ平からゆるやかに登って「真砂の峰」に着いた。
カタクリの花咲く登山道
石花越分岐
広々としたツンブリ平(右端の山が真砂の峰)
ここが金北山~ドンデン高原間の中間点くらいになる。展望も良く気持ちのいい場所なので一休みしたくなる。真砂のピークから緩やかに降った牧草地のような鞍部が「イモリ平」で、水場の標示もありテント場としても適地だ。
真砂の峰山頂
真砂の峰からドンデン高原方面
イモリ平
イモリ平から金北山に向かってグングン標高を上げて行く。登るにつれ残雪が多くなってきた。標高1000m付近の「天狗の休場」からは金北山は目前で、山頂の自衛隊レーダー施設が大きく見える。
役の行者から金北山前衛ピーク
更に登った標高1050m付近が「役の行者」でこの辺りから先は雪に覆われて登山道が判然としない。しかしピンクの目印が点々とあるので、それを追って行けば道に迷う事は無い。まだ半分以上凍った小さなあやめ池を過ぎると急勾配の雪の坂になった。アイゼンが無いので少し不安だったがコース上にロープが張られていたので、それを伝って問題なく登る事ができた。
あやめ池付近(ピンクの目印が頼りになる)
おやめ池
ロープの坂を越え雪道をしばらく登って行くと、目の前にレーダー施設が現れ、09:24金北山(1172m)に到着した。山頂敷地の大部分は自衛隊レーダー施設で、その間に小さく山頂神社が建っていた。施設が邪魔して西半分の展望が得られない。
金北山山頂
山頂から両津市街地
山頂からドンデン高原方面
山頂神社の石段で一人ノンビリ休憩していたら、何やら人声が聞こえてきた。それは施設の点検にきた5名ほどの自衛隊員だった。「どこから来たんですか?」と声を掛けられ、続いて「雪はどうでした?」と聞かれたので、「ドンデン山荘からです。雪は金北山周辺だけですね。」と応えた。「今年は雪が少ないなあ」何て言いながら自衛隊員達は去って行った。
南の妙見山にも巨大なレーダー施設があり、ここ金北山の施設は古びているから稼働していないのかも知れない。でも「ブーン」という音が聞こえるから、今一つ判然としない。 金北山からの降りは防衛庁管理道路を通って白雲台に下山する人が多いようだが、管理道路を通行するには自衛隊の許可が必要だし(電話一本で簡単らしいけど)、車道を歩くのもつまらないので横山からの登山道を降る事にする。
山頂から妙見山(山頂に自衛隊レーダー施設が見える。)方面
山頂から少し戻り「神子岩→」と書かれた標識の地点からピンクの目印を頼りに雪道を降って行くと、ハッキリとした登山道になった。標高が下げるにつれて残雪は消え歩き易くなり、緩やかな尾根をグングン降って行く。
横山への下山道
この下山道もカタクリの花が多く眼に美しいが、写真に撮るとパッとしない。カメラが安物のせいか、それとも腕が悪いのかなあ。山頂から30分余で「神子岩」に着いた。金北山東面の荒々しい山肌が望まれ、展望の良い所だ。
神子岩
更に緩やかに降って行くと途中平坦な所になった。「じゅんさい池」と書かれた標識があるけれど、池は見当たらない。干上がってしまったのだろうか。神子岩から30分程で登山道が分岐する地点に着いた。右は栗ヶ沢へ下山する道で、私は横山へ降る左の道を行く。
栗ケ沢への登山道分岐
分岐を過ぎると道が荒廃してきた。栗ヶ沢の方が近いから、この道を利用する人は少ないのだろうか。しばらく降ると沢水が流れる「祓川」に着いた。ここでご夫婦らしき人達とすれ違った。下山の道で初めて他の登山者と出会ったので少しホッとした。
祓川の水場
この先の道は湿地や倒木が多い。しかし明瞭な道なので迷う事はない。だんだん湿った急坂となり滑らぬよう慎重に降って行くと、大きく「横山登山口」と書かれた看板があり、そこが横山登山口であった。山頂から標高差約1000m、1時間50分の道程だった。
横山登山口
ここからタクシーを呼ぶと高い料金になりそうなので、麓の国道まで直線的な車道をテクテク歩いて行く。振り返れば2時間ほど前に居た金北山の山頂が、随分高くそして遠くに見える。
国道へ降る道
麓の集落を降る
国道350号沿いの秋津バス停に着き時刻表を確認すると、次のバスは40分後だ。地図を見ると両津港まで4キロ程しかないから国道沿いに歩いて行く事にする。吹く風は爽やかだし、これもウォーキングを兼ねた観光見物だ。
交通量の多い国道350号を歩いて行くと右手に、汽水湖である「加茂湖」が見えてきた。その加茂湖の畔を通り両津の市街地に入る。人気の少ない商店街を抜け、13:10に両津港に到着した。
両津の飲食街
両津港の佐渡汽船ターミナル
次の出航まで待ち時間が3時間もあるので、まずは缶ビールで喉の渇きを癒し付近を散策して時間をつぶす。考えてみれば佐渡島まで遠路遥々来たのに、滞在時間は僅か28時間、島が使ったお金はタクシー代2380円+宿代4500円+缶ビール3本で1000円と合計1万円にも満たない。島の経済活性化に貢献できなかった事を少し反省する。
加茂湖から金北山(左)~ドンデン高原の稜線(右)
16:05予定通りカーフェリーは両津港を出航した。船の周りを見送るようにカモメの群れが飛んでいる。その彼方奥にドンデン高原から金北山に連なる大佐渡山脈の稜線が墨絵のように望まれた。取りあえずこれで三百名山の一つが終わり、残す山はあと13座となった。
カモメに見送られ佐渡を離れる