Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

御嶽山噴火災害で遺族が訴訟を起しているが

2017年01月18日 | 日記

 1月18日(水)

 2年前に起きた御嶽山噴火災害の遭難者遺族が、国や県を相手に1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を起すと言う記事が出ていた。「火山性地震が増加していたにも係わらず噴火警戒レベルを「1」から「2」へ引き上げなかった。」「地震計の故障をそのまま放置していた。」というのが訴訟理由のようだ。ご遺族の無念な気持ちも判らぬでは無いが、しかし裁判沙汰になる事なのかと正直ところ驚き且つ疑問を覚える。

 実は御岳山が噴火した翌日に、私は頸城山塊の焼山を登っていた。この山も活火山で、過去に噴火で幾人かの登山者が犠牲になっており数年前まで立入禁止だった。(去年から再び立入禁止になった。)

 実際に登ってみた山頂部は地肌が地熱で暖かく噴煙が幾筋か立昇り、御嶽噴火の事が頭にあったからビクビクしながらの登山だった。もしこの山が噴火して死んでしまったら、無謀な奴だと物笑いの種になるだろうが、誰かの責任を問う何て発想は全然思い浮かばなかった。

 高尾山のように家族連れで登れる山から、氷雪・岩壁を纏い熟練者でなければ登れぬ山まで、登山というのは自然相手に幅広く楽しめるスポーツだ。しかし自然相手ゆえ「転落」「滑落」「道迷い」「凍傷・凍死」等危険が常に伴っている。危険な思いをしたくなければ精々高尾山辺りで止めておいた方がよい。

 自分の自己満足の為に、自分の意思、自己責任に於いてやるのが登山の原則だ。何かあったら何処かの誰かを訴えるというのは、どうにも筋違いに思えてならない。

 「警戒レベルを引き上げていたら」という訴訟理由だが、仮にレベル2に引き上げたとしても、多くの人は登山を中止しなかったのではないか。それは浅間山で立入禁止になっているはずの最高峰に、多くの人が境界のロープを越えて平気で登っている現実で想像できる。

 この裁判の成り行きによっては国や県が安全対策で過剰反応し、多くの火山を登山禁止にしてしまうのではと気懸りでならない。各地の名山・名峰が登れなくなってしまうのは、山好きにとってとても悲しい最悪のシナリオだ。

コメント (2)
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