Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

8月21日(月) ワイオミング州、デヴィッド牧場で日食観測~帰りの道は大渋滞

2017年09月05日 | 米国旅行

 今日の好天を約束するかのように、地平線から鮮やかな日の出が昇った。日食が始まるのは10時半過ぎなので、ノンビリとした朝を過ごす。牧場ファミリーの人達が提供してくれた朝食は、果物が豊富でとても美味しかった。

 地平線から陽が昇る。

 朝食の配給風景

 美味しかった朝食

 宿営地の風景

 日食の時間が近づいてくると牧場の雰囲気は少しづつ期待と緊張が増してきた。私もこの日の為に購入した望遠レンズとカメラが上手く作動できるか不安な思いが募ってくる。10時半を過ぎた頃、太陽の一部が欠けたのを日食グラスで確認できた。

 幌馬車風のキャンピングカー

 日食グラスで観測する人達

 太陽望遠鏡で観測するおじさん、(この望遠鏡500ドルしたそうだが、日本で買えばその3倍はする。)

 我々はこんな風に観測

 それから11時47分の皆既日食までは、夢中でカメラのシャッターを押し続けた。少し風が強いのでファインダーの映像が揺れて、シャッターを押すタイミングが中々難しい。

 ピント合わせとシャッターのタイミングが難しい。

 皆既日食の直前、陽光が急に陰り瞬く間に真っ黒な太陽が出現した。空気はヒンヤリとして辺りの景色が薄暗く空は深く濃い藍色に変った。それは言葉に尽くせぬ神秘的な現象であった。

 I さんのカメラで撮った日食写真

 しかし1分程で黒い太陽の一角がダイヤモンドのように輝くと、アッと言う間に元の力強い陽光を取戻した。この一瞬は正に「百聞は一見に如かず」で、皆既日食という稀な大自然の神秘を生で見る事ができて感無量であった。

  日食が終わると直ぐにテントを撤収し装備を車に積込むと、牧場ファミリーの人達とお別れし慌ただしくデンバーへ向けて車を走らせる。日食が終われば帰りの道路は大渋滞になるであろうと予測していたが、現実は予想以上で牧場を出た時から渋滞に巻込まれた。

 延々と続く渋滞の列(ハイウエー25号)

 ハイウエー25号に入っても渋滞状況は変わらず、スムーズに流れたりノロノロしたりを繰返しばがらデンバーへ車を走らせる。シャイアンの街を過ぎ、コロラド州との州境に達した時、ワイオミング州ビジターセンタ―があったので、休憩を兼ねて見物する。綺麗な建物の入館は無料で、ワイオミング州に関する資料や品々が展示され中々面白かった。

 ワイオミング州ビジターセンター

 館内の展示物

 コロラド州に入っても渋滞は解消せずと言うか増々酷くなり、今夜中に宿へ着けるだろうかと不安になってくる。こんな大渋滞は珍しいのか地元の人達が高架橋の上から大勢見物していた。

 その渋滞もハイウエー25号からデンバー環状道路に入るとようやく解消され、スムーズに走れるようになった。今宵の宿泊地、デンバー南近郊の「モーテルスーパー8キャッスルロック」に着いたのは午後7時半を過ぎていた。

 モーテル周辺は寂しくて気の利いたレストランも無かったので、我々夫婦は近くのマクドナルドで夕食をとった。女店員に「セットメニューはあるか?」と訊ねると?顔をされた。この店にセットメニューは無さそうで、仕方ないからデカいフィッシュバーガーとSサイズアイスコーヒー(日本だとLサイズ)だけ注文する。

 しばらくすると女性2人、男性1人の3人組が隣に着座し、我々夫婦に笑顔で言葉を掛けてくれた。男性はアジア系の雰囲気がある中年の白人で、隣の白人女性は彼の奥さんだろうか。そしてもう一人高齢の女性は何と沖縄から来たという日本人女性だった。

 3人組に「この辺でビールを売ってるお店は無いだろうか?」と訊ねると、食事中だった男性は、我々を酒店まで車で連れて行ってくれると言う。固辞したのだが半ば強引に彼の車に乗せられ、酒店まで行きビールを買い終えると我々をホテルまで送ってくれた。

「チョウさん」という名前の男性だったが、見知らぬ異国でのこの親切に、感謝の思いで胸が熱くなった。ホテルの玄関で手を振って彼と別れたが、何故余分にビールを買って彼に渡さなかったか後で悔やまれた。今日は世紀の日食観測から大渋滞のロングドライブ等いろいろあって長く疲れる一日だったが、最後の最後に温かな親切に触れて心和む一夜となった。

コメント
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