晴れ。最低気温2.0℃、最高気温7.4℃。
今から約十年ほど前の清里町に住んでいたころ、車で30分ほどの「神の子池」へ出かけたことを思い出しました。「神の子」と冠されたこの池がただの池ではないと思ったものでしたが、その頃は、知る人ぞ知る秘湯ならぬ秘池だったのです。
冷たく透き通った水を湛えたこの池は七色に変化するともいわれ、池に沈んだ倒木が枯れずに横たわっている姿は神秘的でした。この池は約4キロ離れた摩周湖の伏流水からなっていると考えられ、摩周湖がアイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と名付けられていることから、その伏流水によるこの池を「神の子池」と呼ぶようになったという一説もあるようです。
今日の北海道新聞日刊紙のコラムで、この「神の子池」が取り上げられていました。神の子池もそうですが、地下をくぐって地表に溢れ出す地下水は夏でも冷たいものでした。まだ冷蔵庫がなかった子どもの頃に、地下水は冷たくてとても美味しかったという記憶が蘇ってきました。
この「神の子池から」というコラムでは、その地下水について、国立天文台編「環境年表」から興味深いデーターを取り上げていました。水循環に関するもので、雨水などが地下水となってから湧き出るまでに586年、オホーツク管内の「美幌・斜里平野」の地下水でも85年を要するというものです。また、地球全体の水のうち、97.4%が海水、飲み水などに利用できるのは地下水(0.6%)を含めごくわずかとのことです。
貴重な飲み水の一つである地下水は、命にかかわる大切な資源です。原発事故等によって放射性物質が漏れでたり、飛び散ったりして貴重な水資源が汚されていくとしたら、その罪ははかりしれなく、恐ろしいかぎりです。
《神の子池 撮影2004年10月3日》