「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「無意識の彷徨」 (16)

2007年05月05日 19時59分07秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47271441.html からの続き)
 

○同・心理課

  なつみのデスクの電話が鳴る。
なつみ「(受話器を取り)はい心理課です」


○同・捜査一課

田所「(電話で)田所だ。いつまでモタモタ
 やってるんだ? 調べがラチあかないんだ
 よ、上からもうるさく言われてな!」


○同・心理課

なつみ「あの……」
田所『(なつみに余地を与えず)捜査のジャ
 マするために心理屋を雇ってるんじゃない
 んだ。立場ァわきまえろ!』
なつみ「僣越かもしれませんけど、容疑者に
 も人権があります。心を傷つけていいとい
 うことはありません」
田所『出たな、金看板の“ココロ”が。だっ
 たら被害者の“ココロ”も分かってるんだ
 ろうな?』
なつみ「………」
田所『それに共犯者は今もそこらをウロつい
 てるんだ。いつまた次のガイシャが出るか
 分からんのだぞ!』
なつみ「でも、面接には時間がかかりますか
 ら……」
田所『犯罪は待っちゃくれないんだよ! 催
 眠術でもかけて、チョチョっと記憶を引っ
 張り出すくらいできるだろう!? いいな
 !!』
  ガチャッと一方的に電話を切る田所。
なつみ「………(荒いため息)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47340651.html
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする