「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 差し戻し審(3)

2007年05月24日 10時00分10秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47777510.html からの続き)

 元少年の生い立ちは、確かに 不遇なものではありました。

 言うまでもなく、だからといって 許されるわけがないのであって、

 罪は償わなければなりません。

 ただ、理解する必要は あるだろうと思います。

 元少年は、同級生からは 明るかったと言われており、

 能天気で へらへら笑っていたそうです。

 反面で、父親からはいつも叱られ、殴られて 青あざを作っていたといいます。

 心のより所にしていた 母親が、中1の時に 自宅の玄関で 首吊り自殺。

 父親は通夜の日にも、少年を塾へ行かせました。

 もっと母親に 甘えたかったとも、元少年は言っているそうです。

 高校では 不良仲間と付き合ったが、心を許せる友人はいなかったのでは。

 ズボンに花火を入れられて ひどい火傷を負うなど、いじめにも遭いました。

 光市の事件を起こしたのは、そんな高校を卒業してから 2週間後のことでした。

 元少年の父親は、自分も事件の被害者だ と思っています。

 息子さえ あんなことをしなければ、と憎しみが沸いてくる。

 自分にとって 事件は二の次で、自分たちは(非難の中で)

 生きていかなければいけないので、開き直った と話しています。

 育て方は 間違っていなかった。

 息子は 罪を深く考えて 成長しているので、死刑でなく 生きて償わせたい。

 やはり親だから。

 そう語る父親は、この8年の間に、少年には 1回接見しただけだそうです。

 やはり、子供の健全な成長にとって、

 親の愛情が いかに大切であるかということが、嫌というほど思い知らされます。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47795344.html
 
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光市母子殺害事件 差し戻し審(2)

2007年05月24日 00時06分16秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47754682.html からの続き)

 二審の無期懲役判決が 最高裁によって 高裁に差し戻され、

 死刑判決の可能性が強くなりました。

 その時から、安田弁護士をはじめとする 新たな弁護団は、

 事件は殺人ではなく 傷害致死だと主張しはじめました。

 これは余りにも奇矯で、

 弁護団は本気でそれを信じているのか 問いただしたくなります。

 元少年が雇えるはずもない、21人もの弁護士が 付いたのは異常で、

 死刑制度に対して 挑戦しているかのようです。

 しかしそれは 立法や別の場で行なうことであって、

 法廷は 死刑制度の是非を 論じるところではないでしょう。

 「この裁判が、死刑の存廃の議論に 利用されることを恐れる」

 という、本村さんの言葉は その通りだと思います。

 差し戻しが決定したあと、本村さんに 元少年からの手紙が4通届いたのも、

 情状の材料にするための 弁護士の入れ知恵だと、本村さんは述べています。

 一方、少年に面会している 住職によると、

 少年は 自分が死刑になって当然だと 認識しており、

 反省して反省して 償いきったところで死にたい、と言っているといいます。

 近年の少年の日記には、

「しっかり罪を償いたい。

 二人を生き返らせるなんて 要求,反省は無理だけど、

 では どういう反省ができるのか。」

 と書かれています。

 もしそれが 事実からかけ離れていないものだとしたら、

 弁護団の方針は 少年の本心にも そぐわないものかも知れません。

 安田弁護士は会見で、元少年が涙ながらに 真実を訴えたと言っていましたが、

 公判を不当にボイコットするような、安田弁護士のやり方を 僕は信用しかねます。
 

 それにつけても この数年の、

 被害者感情を汲もうとする 世論の高まり,厳罰化の流れ。

(僕は もろ手を挙げて賛成とは 言えないのですが。)

 そこに果たした 本村さんの功績は、本当に深甚なものがあります。

 本村さんの存在なくして、犯罪被害者支援の運動も

 ここまで実を結ばなかったでしょう。

 以前の記事にも書いたように、

 まさに 『神が与えた被害者』 という言葉が 心に突き刺さります。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36588506.html

 神は時に、真実の成就のためには 実に残酷な生贄を生ませるものです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47784815.html
 
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