(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57801589.html からの続き)
今まで多くの人が、BPDの原因は
親の育て方の問題だと 思ってきたでしょう。
他ならぬ 僕もそうでした。
けれども 脳についての研究が進むほど、 BPDの原因は 生育歴よりも
むしろ生物学的な要因が 優位にあるということが 分かってきています。
生物学的要因は、 物理的脳, 化学的脳, 遺伝の 3つに分けられます。
物理的脳は 「ハードウェア」、 化学的脳は 「ソフトウェア」、
遺伝は 「青写真」 に当たります。
( 実際には 物理的脳と化学的脳は不可分です。 )
・物理的脳
MRIやPETなどの 診断装置によって、
BPDの脳の働きが 調べられるようになりました。
BPDの人の脳では、 感情の中枢が活発で、
論理的中枢が不活発である ということが分かりました。
この分野は今後も 成果が期待されています。
・化学的脳
BPDの人は 様々な理由で、 セロトニンなど 神経伝達物質のレベルが
アンバランスだったり、 阻害があったりします。
感情, 衝動, 思考を制御する回路に 変調があります。
・遺伝
BPDの特性を 引き起こす遺伝子が、
4~5個あるのではないか と言われます。
遺伝子は 衝動性・感情の規制、
思考や知覚を コントロールする可能性があります。
厳密に言うと、 遺伝するのはBPDではありません。
攻撃性, うつ, 興奮しやすさ, 怒りやすさ, 嗜癖への脆弱性などの、
BPDの特性です。
これらが組み合わさると、 BPDを 構成することになります。
BPDには 数個の異なる遺伝子が 関与しているでしょう。
従って、 同じ家族の中でも、 BPDの人と そうでない人がいるのです。
〔「BPDのABC」 ランディ・クリーガー, E・ガン (星和書店)より〕
(次の記事に続く)
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