「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の原因 (2) --- 生物学的要因

2009年02月14日 15時14分07秒 | 「BPDのABC」より
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57801589.html からの続き)

 今まで多くの人が、BPDの原因は

 親の育て方の問題だと 思ってきたでしょう。

 他ならぬ 僕もそうでした。

 けれども 脳についての研究が進むほど、 BPDの原因は 生育歴よりも

 むしろ生物学的な要因が 優位にあるということが 分かってきています。

 生物学的要因は、 物理的脳, 化学的脳, 遺伝の 3つに分けられます。

 物理的脳は 「ハードウェア」、 化学的脳は 「ソフトウェア」、

 遺伝は 「青写真」 に当たります。

( 実際には 物理的脳と化学的脳は不可分です。 )

・物理的脳

 MRIやPETなどの 診断装置によって、

 BPDの脳の働きが 調べられるようになりました。

 BPDの人の脳では、 感情の中枢が活発で、

 論理的中枢が不活発である ということが分かりました。

 この分野は今後も 成果が期待されています。

・化学的脳

 BPDの人は 様々な理由で、 セロトニンなど 神経伝達物質のレベルが

 アンバランスだったり、 阻害があったりします。

 感情, 衝動, 思考を制御する回路に 変調があります。

・遺伝

 BPDの特性を 引き起こす遺伝子が、

 4~5個あるのではないか と言われます。

 遺伝子は 衝動性・感情の規制、

 思考や知覚を コントロールする可能性があります。

 厳密に言うと、 遺伝するのはBPDではありません。

 攻撃性, うつ, 興奮しやすさ, 怒りやすさ, 嗜癖への脆弱性などの、

 BPDの特性です。

 これらが組み合わさると、 BPDを 構成することになります。

 BPDには 数個の異なる遺伝子が 関与しているでしょう。

 従って、 同じ家族の中でも、 BPDの人と そうでない人がいるのです。

〔「BPDのABC」 ランディ・クリーガー, E・ガン (星和書店)より〕

(次の記事に続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57826883.html
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする