「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

頑なに心を閉ざしていた Bさん (1)

2011年02月01日 21時10分55秒 | 介護帳
 
 Bさん (女性) は人を拒み、 暴言, 暴力のある人です。

 (車椅子で、 自分で立つことはできません。)

〔 参考記事 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/60843403.html 〕

 近くに人がいると 悪態をついたり、 お茶をひっくり返したり、

 食事のときは 一人でないと 箸を付けません。

 そのため 他の利用者さんと離れた 隅のテーブルで、 一人座ってもらっています。

 スタッフは、 見ないふりをして 常にBさんを見守っています。

 叩かれてもつねられても、 毎日のように傷を作りながら、

 挨拶代わりの暴言に スタッフは笑顔で接してきました。

 (衣服の着脱や 入浴介助の時には Aさんの手を押さえますし、

 あまり暴力が酷いときは きちんと忠言します。)

 うちのデイサービスに 来るようになって約半年、

 笑顔や 穏やかな表情が見られたり、 ようやく徐々に 変化が見えてきました。

 他の人との距離を 近づけようと、 いつもよりひとつ 皆に近い席に

 座ってもらうようにしましたが、 Bさんは抵抗しませんでした。

 それだけでも 大きな進歩です。

 ある日の昼食、 スタッフが Bさんの隣の席に 座っていいか尋ねると、

 何とBさんは頷かれました。

 初めてのことで 感銘した次第です。

 さらに その次のときは、

 Bさんの正面の席に スタッフが座ることを 受け入れてくれました。

 口では 「ばかばばあ」 など 憎まれ口を連発していますが、

 我々に少しずつ 心を許してくれはじめたようで、 こういうことが一番嬉しいですね。

 ご家族の話でも、 Bさんは ここのデイサービスに来ることを 拒まないそうです。

 Bさんの 居場所になっているということで、 とてもありがたいことです。

(次の記事に続く)
 
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