「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

受刑者に応じ多様な刑を -- 罪と罰 (1)

2011年02月25日 21時56分13秒 | 罪,裁き,償い
 
 読売新聞の 「罪と罰」 のシリーズで、

 刑罰はどうあるべきか についての連載です。


 初犯で服役する人は、 最初は 「ちゃんとやり直そう」 と思っても、

 刑務所では 細かい規則で縛られており、

 決められた日課を こなすだけの日々が続きます。

 他者を思いやる社会性を 身に付ける環境では ないといいます。

 ぬるま湯的で、 真の更生につなげるのは 難しいようです。

 PFI (官民共同運営) 刑務所という 試みがあります。

 受刑者を 40~50人程度のユニットに分け、

 平日の夜に ミーティングを行ないます。

 そこで受刑者は 認知行動療法に基づく アドバイスを受けたり、

 集団生活のルールについて 互いに話し合ったりします。

 従来の刑務所では、 受刑者同士のコミュニケーションを 避けてきました。

 しかしそれでは 問題解決能力が身に付きません。

 刑務所の中にも 社会と同様の環境が 必要なのです。

 それには自らを律したり 自分を見つめ直したりしなければならず、

 かえって 受刑者に厳しい面もあります。

 刑についても 懲役だけでなく、 福祉的ケアを組み合わせるなど、

 被告の特性に応じた 多様なメニューを用意すべきです。

 それには 裁判の段階で、 被告にはどのような処遇が適切か、

 ソーシャル・ワーカーなどの専門家が 被告のアセスメント (評価) をして、

 刑に反映させる仕組みが 求められます。

 裁判、 刑務所、 出所後の働きかけ。

 3つの段階が結びついて、 贖罪や更生の意識を 養えるのです。

 法制審議会は、 刑期の終盤の一部について 執行を猶予し、

 その間、社会の中で更生させる 制度案をまとめました。

 これは薬物犯に有効です。

 刑務所内での薬物防止教育だけでなく、

 社会の中で 薬物の誘惑に打ち勝つ 訓練を積むのです。

〔 読売新聞より 〕
 
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