「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

出所者雇用で孤立防げ -- 罪と罰 (4)

2011年02月28日 21時19分01秒 | 罪,裁き,償い
 
 刑務所からの出所者は 生活保護申請もなかなか受け付けられず、

 福祉施設も受け入れに消極的です。

 刑務所へ行ったのは 自分の責任と見られ、

 福祉施設は 関わるのが怖いと思っています。

 その結果、 再犯するしかない状況まで 放置されてしまいます。

 出所者の多くは 我々と異質な存在ではありません。

 日本では 家族や地域の絆が崩れ、

 高齢者の孤立や、 児童虐待、 薬物依存などの 社会問題が噴き出しました。

 それに貧困が加わり、 止むを得ず盗みを繰り返すような 出所者も増えています。

 その解決は 福祉の仕事です。

 支援に甘えて 自立できない人も出てこないかという 意見がありますが、

 ホームレスの支援でも 半数近くが自立できています。

 罪の償いは 刑を受けたことで 区切りが付いたはずで、

 出所者を差別するべきではありません。

 欧州では、 ソーシャルファーム (社会的企業) が普及しています。

 地域住民と連携して 農業や食品製造、 レジャー施設経営などが行なわれ、

 障害者や高齢者、 出所者を雇用しています。

 生活が安定してこそ、 悔い改める気持ちを持続できます。

 ソーシャルファームのような 地域のつながりの中にいれば、

 正しい生き方を 学ぶこともできます。

 罪を犯した人だからこそ、 孤立させず、 更生への努力を 続けさせるべきなのです。

〔 読売新聞より 〕
 
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