「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

弁証法的行動療法 (1)

2014年02月20日 22時08分42秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 標準化された療法

 BPDの構造化された療法には、 弁証法的行動療法 (DBT),

 STEPPS, スキーマ療法があります。

《弁証法的行動療法》 (DBT)

 低機能のBPDの人のための、 自傷や自殺の割合が低下する 治療法です。

 「弁証法」 というのは、

 ふたつの反対の事柄が 同時に真実であることを意味します。

 患者は 自分自身のありのままを 受け入れる必要があると同時に、

 自分を変えて 新たなスキルを学ぶ必要があります。

 弁証法的行動療法 (DBT) の創始者の マーシャ・リネハンは、

 「自分自身を受け入れなければ、 実際に変わることはできない」 と言っています。

o 基本的な弁証法的行動療法の概念

・ 患者は動機づけられており、 変化しようとする気持ちがある

 BPDの患者は、 落伍者だと感じたり、 衝動的な行動を取ったりすることに

 うんざりしています。

 彼らは変わることに 強い関心を持っているのです。

・ 徹底的受容は、 回復に必要不可欠である

 徹底的受容とは、 今のありのままの自分自身を、

 判断したり批難したりせずに 受け入れることです。

 生涯にわたるプロジェクトであり、 BPD以外の人にとっても 重要な手段です。

 徹底的受容は、 自分自身を嫌う羞恥心から 解放するといいます。

 「自分はこのようにできているのだ」 と 落ち着いて言うことができるでしょう。

 「そうでなかったらよかったが、 そうなのだ」。

 いったん 自分自身についての判断を手放すと、 真に前進することができるのです。

・ 感情をうまく扱うための鍵は、 マインドフルネスにある

 多くの苦しみは、 将来について考えたり、 過去を反芻することによって起こります。

 マインドフルネスは、 一歩下がって、

 自分の内側や 周りのでき事を観察し、 その瞬間に生きることを可能にします。

 公園を散歩しながらでも、 過去や未来に 心を奪われるのではなく、

 目の前の自然の美しさに 浸るということです。

 マインドフルネスはBPDの人だけでなく、 全ての人のためのものです。

・ BPDの人は承認を必要とする

 承認とは、 BPDの人の気持ちを 共感的に聞き、 評価しないことです。

 BPDの人に  「怒るべきでない」 と言う代わりに、

 「君がとても腹を立てているのが 分かるよ」 と 言うようなことです。

 このとき、

 その怒りの理由が正しいと 同意しているのではないことに 留意してください。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 

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