「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

望まない行動を訓練しない

2014年08月12日 19時42分28秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
o 「最も強化しないシナリオ」

 関心を引くことを意図した 不愉快なコメントに対しては、

 無表情なままでいる (頭から爪先までのポーカーフェイス) のが、

 「最も強化しないシナリオ」 です。

 どのような反応も 行動を誘発するからです。

 反応したいという衝動を、 自己コントロールする必要があります。

 ただし、 虐待的, 危険な行動に対して これを用いてはいけません。

o 相容れない行動

 BPDの人を止めるよりも、

 別のことに 彼らの関心を向けるほうが たやすいものです。

 望ましくない行動とは相容れない、 別の行動へと向けてあげてください。

 BPDの人は、 怒ることと笑うことを 同時にはできないのです。

 本人にとって大切なことを 褒めてあげると、

 怒っていたのが 話し合えるようになるかもしれません。

o 問題のある行動がなくなったら、 それに報いましょう

 BPDの人が文句を言っているときは、

 最も強化しないシナリオ (無視するのではなく見逃す) を用います。

 しかし 他の話をするときには、 熱心におしゃべりしましょう。

 BPDの人の多くは時に、 全く正常に行動します。

 これは他の行動を強化する 豊富なチャンスを与えてくれます。

 本人の好ましい点を よく考えてください。

 成功の鍵は、 好ましい行動が起こっているときに 強化することです。

・ 「あなたの……なときが好きなの」

・ 「君といるとすごく楽しいよ」

・ 「……してくれてありがとう」

・ 「あなたは本当によく頑張ったね」

 触れたり、 近づいたりすることで、 言葉を介さず 強化することもできます。

o 一般的な称賛

 本人のネガティブな点を 話すのではなく、

 彼らの長所を 伸ばせるようにしてください。

 ポジティブな対処行動に対しても、 報いてあげてください。

・ 「この前、 君は動揺したとき 物を投げる代わりに 散歩に行ったよね」

 しかし 子供に対しては、 褒めすぎないよう注意してください。

 子供は進歩すると、 親が 全て順調だと考えて 離れていくのではないかと恐れます。

 「本当によく頑張ったね。

 でも、 あなたにとって ストレスが大きくはないかと心配してるの」

 といったメッセージなら、 共感的で危険も少ないでしょう。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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