o 手がかりに注目しましょう
以下の兆候が見られたら、
本人の気持ちを 紛らわせてあげられるかもしれません。
・ 緊張した顔の表情
・ そわそわする
・ 手を握りしめる
・ 唇が震える
・ 前かがみになる
・ 眉をひそめる
o 皆さん自身に 正の強化をしましょう
自分自身に対しても 正の強化を用いることができます。
できなかったときに 自分を責める代わりに、 できたときに 自分を褒めるのです。
自分の感情を把握するために、 皆さん自身の手がかりにも 注意してください。
○ 称賛についての 「TIPS」
ちょっとした進歩に報いてください。
物事は完璧である必要はありません。
TIPSは以下の頭文字です。
T: 誠実に (true)。
人は、 受けるに値しない称賛を 見抜くものです。
I: 迅速に (immediate)。
その行動が行なわれたときに 褒める。
P: 前向きに (positive)。
その行動が再現される可能性が 高まります。
S: 具体的に (specific)。
判断するのではなく、 観察したことを述べてください。
「あなたは怒り狂う前に、 10まで数えて 喧嘩を避けたのよ」 のほうが、
「あなたが10まで数えたやり方が よかったと思うわ」 より良いでしょう。
前者は 自己評価を築く助けになりますが、
後者は 本人を皆さんの意見に 依存させてしまいます。
● 結び 「今日からスタートです」
希望と奇跡は、 よく目を凝らせば、 皆さんの周りにあります。
希望は自分自身で抱くものであり、 選択は自分自身で行なうものです。
大切な人を変えることはできませんが、 皆さん自身を変えることならできます。
必要なのは、 次の3つだけです。
1. 大きく、 胸いっぱいに深呼吸しましょう。
2. 「信頼に基づく賭け」
BPDの人の行動を、 例え それが人を傷つけるものであろうと、
個人的に受け止めないことです。
境界設定や強化の 効果が見えないときでも、 信じて努力を続けましょう。
3. さあ、 皆さんのボートを 見つけに行きましょう。
(以上)
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕