(前の記事からの続き)
はじめは 12~18年などの周期の セミもいましたが、
異なる周期のセミが交配すると 「交雑」 となり、 子孫は滅亡していきます。
従って 同じ周期のセミ同士が 交配する必要があります。
そこで、 13, 17という、 比較的大きな素数が 重要な意味を持ってきます。
13年と17年の最小公倍数は221年で、
両者が同じ年に羽化するのは 221年に一度だけということになります。
そうすると、13年ゼミと17年ゼミは 交雑することがほとんどなく、
種を保っていくことができます。
(以前は 種の保存と考えられていましたが、
現在は 個のDNAの保存と考えられます。)
他の周期のセミは 最小公倍数が小さくなるので、 交雑する機会が増え、
その結果 次第に絶滅していったといいます。
( ex. 15年周期と17年周期の セミが交雑すると、
子孫は 中間の16年周期になるかもしれず、
16年周期は 他のセミと同期になりやすいため、 淘汰されていきます。
ただし、 本当に 中間の16年周期になるのかということは、
証明されていないそうです。)
氷河期が過ぎて 地球が暖かくなっても、
大量発生で捕食者から身を守る という性質は獲得されているので、
この周期が保たれているということです。
その後、 13年ゼミと17年ゼミの 生息地域が変化していって、
両者が共生する 地域がなくなったと 考えられるのかもしれません。
いずれにしても、
やはり 生物の進化の戦略, DNAの力というものには、 本当に驚嘆します。
17年ゼミの学名は 「Magicicada」 で、
“魔法のセミ" という意味だそうです。