入院は、 退院できなくなるほどに BPを悪化させます。
外来治療は入院に比べて 自殺の増加に繋がっていません。
入院は 自殺を減らす効果が ないことが示されています。
弁証法的行動療法が 自殺行動を減らすのに有効なのは、
入院せずに済むから という仮説があります。
自殺傾向のある人にとって 一番リスクが高いのは、 病院から退院した直後であり、
入院が自殺行動を 解決することはないということです。
入院を促すのは次のようなときです。
1. BPの自殺行動が続いており、 身体的・ 精神的に混乱していて、
BPが自分は死なないと 言えなくなっているとき。
短期の入院 (1~5日) が勧められ、 入院の目的は、
睡眠をとらせ、 不安を減らし、 致死的な手段から遠ざけることです。
自分自身で対処しようとしないでください。
2. あなたが限界にきていて、 BPが急性の自殺傾向にあるとき。
自殺危機は 数日から数週間続きます。
あなたにも休息が必要なのです。
短期の入院は、 BPの危機を終わりにする 方法を与えてくれます。
「止むことのない危機」 にあるとき、
非効果的な決断は 更なる衝動的行動に繋がります。
短期入院はその行動を終わらせ、 やり直しの機会を提供します。
感情と行動のサイクルから 脱することができます。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]