これらの対人関係パターンは、 人間関係に大きな影響を及ぼします。
受動的行動は、 相手に同調することで、 安全なように見えます。
しかし長期的に見ると、 人に屈し、 自分のニーズを放棄するとき、
フラストレーションと憤慨が生じます。
最終的には、 関係が苦痛になり、
怒りを爆発させるか、 抑うつに陥るか、 逃げだすことになります。
攻撃的行動も関係を破壊します。
攻撃的な対人関係は、 ふたつのことから生じています。
ひとつめは、 物事がどうあるべきかの 強い感覚です。
正しい行動と 間違った行動が はっきりしています。
正しいと感じることを侵害されると、 相手を罰したいと感じるかもしれません。
ふたつめは、 相手をコントロールしたいという要求です。
物事は ある一定の形で起こらなければならず、 一定の結果を期待しているのです。
正しいと感じる通りにならないと、 怒りが煮えたぎり始めます。
相手をコントロールしようとして、 プレッシャーをかけるかもしれません。
受動性と攻撃性は、 どちらも人間関係を壊してしまいます。
アサーションのスキルは、 この中間の方法です。
対人関係で必要なものを求め、 限界を設定し、
対立の交渉をする手段を 与えてくれます。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より [星和書店の許可のうえ掲載]