「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

対人関係スキルの使用を妨げるもの (8)

2017年03月23日 21時30分13秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
7.障害となりうる信念
 
 人を無力にさせる、 4つの 障害となる信念があります。
 
① 何かが必要だということは、 私がおかしいか 悪いということだ。
 
② 相手が怒ったりノーと言ったら、 私は耐えられない。
 
③ ノーと言ったり、 何かを求めるのは 自分のわがままだ。
 
④ 私がコントロールできるものはない。
 
 これらは、 望みを伝えたり、 限界を設定するのを妨げます。
 
 ひとつひとつ見てみましょう。
 
① 何かを必要とするのは 私が悪い
 
 誰もが 他の人から何かを必要としています。
 
 物事を必要とするのは、 恥ずかしいことでも間違ったことでもありません。
 
 より健康的なコーピング思考は、 「私には物事を望む権利がある」 です。
 
② ノーと言われるのは耐えられない
 
 怒りの拒絶を耳にするのは 苦しいものです。
 
 しかし最悪なのは、 望みを要求しないで、
 
 長期間にわたって 苦痛を受け入れることです。
 
 コーピング思考は、
 
 「相手が提供してくれなくても、 私には要求する権利がある」 です。
 
③ 求めたり拒むのは、 自分のわがままだ
 
 自分のニーズが考慮されないという、 幼いころの環境で、
 
 あなたは 求めることがわがままだと感じるかもしれません。
 
 しかし、 全ての人のニーズが妥当であり、 同等に重要なのです。
 
 個人としての生存は、 望むものを知り、 それを述べることにかかっています。
 
 コーピング思考は、 「要求することは正常で、 健康的なことである」です。
 
④ 私がコントロールできるものはない
 
 コントロールできるのは、 自分自身の行動です。
 
 受動的, 攻撃的な行動をすると、 相手は無視するか、 怒って抵抗してきます。
 
 アサーティブな行動をすると、 相手は傾聴し、 肯定的に反応してくれます。
 
 効果的なコーピング思考は、 「私は より有効な行動を選択できる」 です。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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