2000年、 宇都宮市の宝石店で 貴金属を奪い、
女性従業員6人の 手足を縛って、
生きたままガソリンをまいて 火を点けた篠沢死刑囚。
被害者の一人・ 正恵さんの遺体は 損傷が激しく、
父親は 死に顔を見ることも 抱き締めてやることもできませんでした。
「 熱かったね……、 苦しかったね…… 」
そう声をかけるのが 精一杯でした。
事件から8年半、 事件のことばかり 考えてはいけないと思いつつ、
心から笑うことができません。
「 自分たちだけが 楽しんでいいのか? 」
「 犯人を憎むことが 生きがいになってしまった 」
父は 証言台ではっきり 「極刑を望みます」 と言った。
「 悔しさと怒りで、 相手の死を願うことへの 抵抗感は全くなかった 」
父親は 篠沢死刑囚が何を考え、
事件を反省しているのか 知りたいと思うようになりました。
直接会って、 親の辛い気持ちを 伝えたいと。
しかし 死刑囚に面会できるのは 親族や弁護士, 数人の知人の他は、
拘置所が特別に 必要と認めた人だけです。
死刑囚本人が望まない限り、
被害者の遺族が 面会できる可能性は ほとんどありません。
それでも父親は 強く思っています。
「 罪の重さを知り、 心から反省してから 刑を執行されてほしい 」
〔読売新聞より〕
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