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世界が注目し続けてきたアメリカ大統領選挙が、約1週間後に行われる。
アメリカのメディアは連日、共和党候補のドナルド・トランプ氏と、民主党候補のヒラリー・クリントン氏の支持率やスキャンダルについて報じている。
しかし、アメリカの主流メディアがあまり報じない、「実は、投票結果が信頼できない」というニュースもある。
不正につながる恐れのある電子投票
テキサス州の期日前投票において、トランプ氏に投票しようとした少なくとも2人の有権者が、「電子投票機でトランプ氏を選び、画面をスクロールして投票ボタンを押す直前に、再び確認したら、クリントン氏が選ばれた状態に切り替わっていた」と申告した。
幸い2人とも、実際に投票する前に誤りに気付き訂正したが、気付かずにクリントン氏に投票してしまった人もいた可能性がある。
電子投票は集計しやすいメリットがあるが、投票用紙と投票箱を使うアナログな投票・集計方法と比べて、投票数を改ざんしやすいというデメリットもある。もしトランプ氏陣営、クリントン氏陣営のどちらか、または他団体が電子投票機をハッキングして、プログラムを書き換えるなどすれば、有権者が投票した通りの結果にならない可能性もある。
イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票では、こうした電子投票による不正を防止するために、あえて投票用紙による投票が行われ、大量のボランティアが集計した。しかし、アメリカでは、こうした電子投票による不正の危険性を長年指摘されながらも、有効な手を打てていない。
トランプが繰り返し「選挙不正」を訴えるワケ
トランプ氏は、本選挙の投票日が近づくにつれて、「あまりにも多くの都市が腐敗していて、不正投票が当たり前になっている」「当然、大規模な不正行為が投票日に行われる」などと警告している。
クリントン氏を支持する多くのアメリカの主流メディアは、こうしたトランプ氏の発言を「泣き言」と一蹴して、まともに捉えていない。
しかし、米政治系メディア「ポリティコ」の世論調査によると、共和党支持者の76%が、「トランプを落選させてクリントンを当選させるための選挙不正が行われそうだ」と考えている。これは、無視すべき問題ではないだろう。
アメリカ大統領選挙という世界の未来を左右する重大な選挙で、不正が行われている可能性を放置していては、アメリカの「正義」が揺らぐ。各メディアは、トランプ氏の指摘にも耳を傾ける必要があるのではないか。
(小林真由美)