もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

希望の党と軍事オプション

2017年09月28日 | 社会・政治問題

 民進党の事実上の解党により、政権獲得は無理としても、希望の党が首班指名のキャスティングボードを握る事態が現実味を帯びてきた。

 総選挙後4年間の衆院任期中は、北朝鮮の核武装に起因するパワーバランス激変への対応を余儀なくされる4年間となるだろう。その中には、日本も軍事オプションの選択を迫られる事態も十分に予測されるが、防衛相失格の経歴を持つ小池氏で大丈夫かとの疑念を持っている。希望の党は「しがらみ」と「リセット」のキーワードでムードを盛り上げての地滑り的勝利を得るかもしれないが、旗下の構成員を見る限り軍事オプションをすら取れざるを得ない国難に耐え得るほどの人材は見当たらない。小池氏自身が、機を見て便に乗る風見鶏的な世渡りでのし上がってきた人物で、組織のリーダーとしての実績は皆無である。軍事オプションは、日本という巨大組織のすべてを最大限に短時間に結集しなければ成し遂げられるものではなく、時間をかけてもなお豊洲問題さえ解決できない小池氏にとっては最も不得手な分野ではないだろうか。経歴上は幾多の失敗も持つにもかかわらず、第2次大戦遂行にはチャーチルの決断力を選択しなければならなかったイギリスに見られるように戦時の宰相は、平時の能吏には務まらまい決断力と判断力を要求されると考えられる。

 かって私は尊敬する提督から「現在の日本には、激動時(戦時)の強弱に対する評価がないことは憂うべきである」との所感を聞いたことがある。提督の慧眼と憂慮を生かし、戦時に強い指導者を選択すべき選挙と思う。小池氏には、その任に耐え得る判断力と決断力はうかがい知れないのだが。