もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

韓国の有事統制権の行方に思う

2018年05月13日 | 韓国

 韓国文政権は、有事の作戦統制権が2023年に韓国に移管される見通しであると表明した。

 韓国は平時における作戦統制権は持っているものの、有事において韓国軍は米軍の指揮統制を受けることとされており、独立国家であれば当然保有すべき交戦権が米国に握られている。韓国にとって朝鮮戦争の遺物とも云うべき作戦統制権の移管・獲得は悲願であり、2012年に移管することが一旦は決定していたが駆逐艦「天安号」撃沈事件等により先送りされ2014年以降は移管が凍結され現在に至っている。韓国政府が一方的に作戦統制権の移管を表明することは考えられないために、米朝首脳会談に至る一連のシグナルとしてアメリカも了承してのことと思う。重要なことは、2023年までに韓国が単独で自国を防衛するために必要な、先制攻撃能力・韓国型ミサイル防御能力・報復能力の3軸体制が完成するために、アメリカ離れが可能と米韓が感じていることである。前記の3要件が現代の国際社会での国土防衛能力を測る尺度であるとの観点に立って日本を眺めれば、何一つ持っていないことに気付かされる。さらに、韓国の有事統制権がアメリカから韓国の手に渡ることは日韓関係ではアメリカのブレーキが作動しなくなることで、新たな火種が発生する危険性をも持つものと思う。

 憲法に書かれている国際平和希求の理念が世界認識であると頑なに墨守して、国際情勢を一顧だにしないウエットな日本は、世界からガラパゴス国家とも揶揄されている。政治家は改憲論議すら放棄・忌避、学会は軍事(軍事転用可能技術を含む。)研究を禁止するのみならず、世論に大きな影響を与えるメディアはこの風潮を良しとしている。今こそ米朝首脳会談に付随する冷徹なパワーポリティックスの現実に、我々も目を向けるべき時ではないだろうか。