もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

米朝首脳会談からの韓国外し

2018年05月30日 | 韓国

 アメリカが韓国に対して、南北首脳会談に過度にかかわることへの自制を求めていることが報じられた。

 前にも書いたことであるが、今回の南北首脳会談を契機として起こった対話気運でアメリカが危惧するのは、韓国が中朝の主張する「段階的な半島非核化路線」に奔ることであろう。一貫してアメリカが望んでいるのは「北朝鮮の即時・非可逆的なリビア方式の非核化」で対価は金正恩体制保障が限度としているが、米朝首脳会談を南北統一への一里塚と捉えて平和協定まで地歩を進めたい韓国文政権の思惑は、首脳会談の阻害要因とも感じているものと思う。北朝鮮も、シンガポールでの米朝事前協議に代表を送らないことでアメリカを揺さぶる筈が首脳会談中止というアメリカのブラフに屈して、一旦は袖にした韓国に南北首脳会談を呼び掛けてメッセンジャーとして再利用したことでも容易に推測できるように、米朝会談を南北統一への里程と捉えていないことは明白である。2度にわたる中朝首脳会談で北朝鮮の後ろ盾の地位を再構築した中国も、北朝鮮を米中確執の緩衝地帯として、叉は、アメリカのアジア政策へのゲリラ・特攻兵として温存したい思惑から、南北が統一されることは望んでいない。ここにきて、さすがの韓国も現実に目を向けざるを得なくなり、米朝首脳会談を静観するとの姿勢に転じている。

 米朝首脳会談が「双方の主張が余りにもかけ離れているために何らの妥協点も見出せずに終わる」のは大方の予想するところであり、その場合の韓国の立場は極めて微妙になると思われる。アメリカからは何等の腹案もないままに米朝の斡旋を試みたとの不信感を持たれ、中朝からは米VS中朝選択の踏み絵を迫られ続けるであろう。「国外、少なくとも県外」の公約(膏薬)で自縄自縛に陥ったどこぞの指導者の国際版かと思えば、文大統領に同情を禁じ得ない。いや同情に値しないのかも。