もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中国海軍空母2番艦の公試始まる-2

2018年05月15日 | 中国

 昨日の公試の解説に加えて、新造艦艇の戦力化に対する考察です。

 艦艇の進水時は船殻構造が半完成、機関の主要部が搭載された程度で、家屋に例えれば棟上げ式前後の状態です。以後、武器の搭載等の艤装作業と各種公試が始まります。乗員については、進水時~就役時の間に「艤装員」という形で順次発令され艦の構造と搭載機器の習得に当たります。昨日も書いたように就役までは建造所の船であるために艤装員が直接に機器を操作することができないのですが、就役時を境に官の機器を民間会社に操作させることはできなくなるために見取稽古で操法を理解しなければなりません。就役後は艦自身が行う慣熟訓練、部内の教育機関が行う就役訓練での評価を得て、ようやく艦は実戦配備されます。公試及び諸訓練期間は、それぞれ1年程度と考えれば中国海軍空母「山東」の実戦配備は2020年以降と考えます。勿論、資金と人的資源に制約のない中国であるので若干早まることは予測できますが、1番艦「遼寧」の運用実績に大きく左右されることと思います。既に電磁式カタパルトを装備した平甲板型の3・4番艦の建造に着手したとも報じられていますが、当該カタパルトは昨年末にようやく米空母での実用試験に成功したハイテク技術ですが、数年前に米英の共同開発先から中国の産業スパイによって持ち出されたことが確認されているもので、中国の平甲板型空母保有の希求度が推し量れるものと思います。

 艦艇の建造と実戦配備の過程を書いてきましたが、艦艇の実戦化には長時間を要することの一旦がお分かりいただけたかと思います。”海上兵力など有事に拡充すれば十分”との意見をよく耳にしますが、その拡充には長時間を要し、一旦他国の後塵を拝すれば挽回は略不可能であることを理解して欲しいと願うところであります。