もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

マスク着用拒否に因る降機に思う

2020年09月14日 | コロナ

 航空機内でマスクの着用を拒否したために降ろされる事態(降機と呼ぶらしい)が相次いで起きた。

 1件目は、9月7日、釧路発関西空港行きの機内で、マスクをつけるように求められた男性(30代)が着用を拒否して乗客や客室乗務員を威嚇したとして新潟空港に臨時着陸して、2件目は9月12日奥尻発函館行きの旅客機の機内で出発前にマスクを着けていなかった乗客の男性(30代?)が再三にわたって理由を問われても理由を説明しなかったため、それぞれに降機を命じられたとされている。乗客を目的地まで安全に輸送することを義務付けられている航空会社としては当然の処置であると思うが、降機させられた男性は異口同音的に「マスク着用は義務ではない」「持病でマスクが着用できず、病状を公然と告白できなかった」としており、12日の男性は「・・・そのような社会になってしまうことに関しましては非常に良くないことだと思う」とも付け加えているらしい。マスクをつけることさえ困難な疾病があるとも思えず、それほど重度の健康被害を抱える人が介護者なしで航空便を利用するとも考え難いように思う。近年、不十分とはされるものの、あらゆる場所や機会で障碍者・社会的弱者支援が進んでいる。しかしながら、その支援を受けるためには支援が必要であることを社会に判ってもらう必要があるのも致し方のないところであるように思う。視力・四肢の障害、臨月近い妊婦は一目で判るので関係者はもとより居合わせた人でも支援の手を差し出すことができるが、マスクをつけることが困難な病気・症状など周囲の人は知る術がない。支援が必要な人に必要な支援をすることは社会の義務であるが、支援が必要な人も正当な支援を得るための手続きと節度が必要であるように思う。12日の男性が求めるような「手続きと節度の無い人までも本人の障害(ハンディキャップ)申し立てを無条件に受け入れなければならない社会」が正しい福祉社会であるのだろうか。冒頭の2名に関して言えば、社会が納得できる手続きとは医師の診断書であり、節度とは空港カウンターで事前に申告することであると思うが、機内での客室乗務員の質問にすら答えないことは障碍者支援という風潮に便乗して我意を通そうとする行為に他ならず、表示を偽装して障碍者専用駐車場を利用する人や優先席で眠ったふりをする人と同じ姑息な行為であるように思う。

 文章力の不足で本日の記述は、障害者や妊産婦等の支援が不要と誤解されるかも知れないので敢て補足すると、障碍者が保護を求めるのは当然の権利であり、社会は保護する義務を課せられているのも当然であるが、障碍者の保護には常識的な手続きが必要であるとするものである。優先席に座ったお腹の目立たぬ妊娠初期のマタニティーマークが白眼視されたという記事も目にするが、正当な理由から正当に要求された支援要請に対して、社会は笑顔で応じなければならないのは云うまでもないと思っている。中国コロナの感染高止まりの状態で社会を維持する必要に迫られた現在、マスクに関するイザコザは今後も起こるように思えるが、「染(うつ)さず・貰わず・外さない」のマスク3原則を考案したが如何。