気象庁は16日にホームページのウェブ広告掲載を一時的に停止した。停止は運用開始後20時間であったとされている。
インターネットの仕組みに詳しくないために、本日の記事(前半)についてはネット上にある記事をまとめたものが主であることを、予めお断りしておきます。
気象庁HPの昨年の閲覧数は約79億ページビューで、HP運営には年間約2億4千万円で外部委託(契約先は不明)しているが、来年2月までのウェブ広告掲載・運用を天気予報サイトを運営する「ALiNKインターネット」に委託したとされている。
契約は来年2月16日までの約5カ月間、実際の広告収入額に関わらず「ALiNKインターネット」が8700万円を気象庁に支払うもので、気象庁はその全額をHP運営費補填に充てる考えであったとされる。
「ALiNKインターネット」社が構築した広告閲覧システムは、閲覧者の好み(検索履歴)に応じて広告表示内容が変わる「運用型広告」で、GoogleやAmazon等複数の広告配信業者と提携したとされている。
気象庁は契約に先立って、法令違反や差別表現などを含む広告のほか、宗教・政治団体の広告などは掲載できないとする基準を定めていたが、広告配信業者が多いために薬事法違反のサプリや偽ブランド品のサイトに誘導する広告が100件近くも紛れ込んだとされているが、気象庁は全貌を把握できないために一括して広告掲載を中止したとされている。
ネット広告に詳しい人は、気象庁が望まない広告を載せたくないのなら、広告配信会社を使わずに、広告スペースを個別の企業に売るのが無難であると述べているが、気象庁がそうしなかった理由は、単一企業との癒着を疑われるのを嫌ったためではないだろうかと考えている。年間79億PVもあるサイトに独占広告を載せることができるなら、複数の企業がHP運営費(2.4億円)を軽く超える金額で応募してくるのではないだろうか。その場合、気象庁が、もし1社を選択したならば、メディア等は挙って癒着、若しくは特定企業の優遇を言い立てるだろうことは想像に難くない。
今回の事案について考えると、そもそも気象庁がHPに広告を載せて幾許かの収入を得ようとした点が間違っているように思える。気象庁の使命は、正確な気象予察を出すことであり、それによって1件の山岳遭難事故、1件の海難事故を防ぐことができたならば、使命は果たされたと観るべきでは無いだろうか。公立図書館の利用者が減ったとして閉鎖すれば、そこでしか勉強できない人の就学機会を奪うこととなり、あたら有為な人材を失うことにもなりかねない。行政のスピードと効果の追及努力は当然であるが、効率特に費用重視は見直されるべきではないだろうか。生活保護に代表されるように、本来、行政サービスは赤字が当然であり、敢て民間営利企業の理論を行政に適用するのは誤っているように思えてならない。