テレビからは自民党総裁候補3氏の討論が流れている。
当選すれば総理となる3氏の主張は、真剣に聞くべきと思うが投票権もないためにあまり耳には入ってこない。唯一の収穫は岸田候補がカープファンであることを知ったことである。先日のテレビ番組(多分ケンミンショー)で呉市のメロンパンが紹介された。というわけで本日は、メロンパンとカープに触発された、自分の流れ者人生の半生(反省)でお目を汚すことにする。九州の山奥から18歳で呉市にある新隊員教育隊に入隊して流浪の旅が始まった。以後の10年間を呉市を母港とする艦艇で勤務したが、その時始めてメロンパンなるものに出会ったように思う。そのメロンパンは写真の形であったが、その後4~5年間隔で勤務地を転々とする間に、食に関してあまり興味がないこともあってメロンパンは何時しか緑色のモコモコパンに変化していた。自衛隊勤務は、全国から集まった人間が集団生活するために各母港ごとに若干の地方色はあるものの自衛隊言葉で統一され、集団給食であるために郷土料理的なものに出くわすこともない。自分のように、決められた場所に漫然と起居して与えられたものを食べるだけという怠惰な人間がある一方でマメな隊員も多く、例えば各寄港地で城郭を調べる人、偉人の墓碑を巡って歴史を学ぶ人、必ず郷土料理を食べる人、など様々であった。今にして思えば、海なし県を除くすべての都道府県に寄港した貴重な機会を、港から1㎞半径のパチンコ屋で有り金をスッて、飲み屋で安酒を飲むことだけに終始した自分と、趣味・目標を持って上陸機会を利用した人とは、知識や人間の幅で天と地ほどの差が開いているように思う。与えられた機会を全く活用しなかったことが悔やまれるとともに、継続は力という言葉を今にして実感している。岸田氏と同じくカープファンであることも、呉市在住(呉を母港とする艦艇に起居)中に、飲み屋の雰囲気に引きずられた可能性も自覚しており、呉市での10年間の名残はメロンパンとカープしかないのかと反省している。
お絵描き教室の仲間は、出身・経歴は様々であるが、当地に根を下ろして数十年の人が大半である。ブログを拝見する限り多くのブロガーも、地域に溶け込んだ記事を発信しておられる。根無し草の生活を送った自分には地元愛は希薄で、何よりも居住地の実状を良く知らない。かって静岡県に勤務した時の某高校の先生との会話、「(先生)静岡の何を知っていますか」、「(自分)登呂遺跡と徳川家康しか知りません」、「(先生)例え一時的な居住であっても、郷土史の概略くらいは勉強した方がいいですよ」と諭されたが、若気と多忙を言い訳にスルーして現在の悔悟である。
呉市のメロンパン