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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

立憲民主党の「ゼロコロナ戦略案」を知る

2021年02月20日 | 野党

 立憲民主党が「ゼロコロナ」戦略案を示したことを知った。

 同案は、これまで立憲民主党が予算委員会等で主張して来た項目を整理したもので、「対案を提示できる政党」「政権を担当できる政党」をアピールする狙いで出されたものであろうと思っている。
 提案では、拙速なGoTo政策が再感染を拡大させた教訓から、「ゼロコロナ(感染源をクラスターとして特定し感染を制御できる)状態に感染者が減少するまで非常事態宣言の状態を維持して、その後に経済回復対策を行う」とし、具体的には「入国者の完全隔離」、「検査機器購入費の全額補助」、「低所得子育て世帯への給付金支給」、「休業補償期間の延長」が挙げられている。
 もし、これまで政府が行ってきたコロナ対策と、今回立憲民主党が提案したコロナ対策が昨年の同時期に発令されたと仮定した場合、どちらの政策が有効であったのだろうか。感染抑止のワクチンが無い状態では強力なロックダウンを行って一時的に感染者が減少しても、解除後には感染が再拡大して再びロックダウン状態に戻るということを繰り返していることは台湾を除く諸外国の例が示しており、ゼロコロナの状態を維持するためには非常事態宣言の状態を維持し続けなければならないように思える。その場合、果して国民の「厭戦気分」はどうなったであろうか。GoTo政策を振り返れば、感染再拡大の面からは拙速と云えるだろうが、観光・飲食業や従事者には一時的な小康・延命効果をもたらし、ワクチン入手までの時間稼ぎと国民の厭戦気分には一時的なガス抜きには効果があったように思える。
 単眼の自分には両者の優劣を判定する能力は無いが、立憲民主党の提言は極めてバラ色には富むものの予算面が考慮されていないのは気懸りなところで、提言通りの長期・手厚い給付や支援を行うためには平成2年度の第2,3次補正予算の総額220兆円でも足りないようにも思える。先の民主党政権誕生では、予算の裏付けがないとの批判に、埋蔵金の発掘と事業仕分けによる行政見直しで経費は確保できるとしたものの、発掘できた埋蔵金は行政法人の内部留保だけの少額・単発に終わり、行政見直しは自治労の反対もあって廃止できた行政法人は無かったと記憶している。今回はその錬金術さえも開示しない手法であることを思えば、御先祖様の政策以上に具体性に欠けているようにも思える。

 モリ・カケ・サクラ・麻雀・徘徊・接待と週刊誌報道の読み聞かせに活路を見出してきた立憲民主党が、政権政党に脱皮すると意気込んだ政策提言であるが、いかにも「後出しジャンケン」の感が深く、行政には不可欠である予算措置に触れていないのは致命的な知識・経験不足を露呈しているようにも思える。かって社会党が野党第1党であった頃「影の内閣」を組織して政策と行政の勉強を始めたことがあり、その後も形と呼び名を変えて野党が努力した時期もあったが、現在では全く努力しているようには見えない。政府糾弾の声の張り具合で党内序列が決まる?ようでは、立憲民主党に政権担当能力があるのだろうかと心配である。

 最後に、彼等には少額であろうが、2000名以上が禄をはむ日本学術会議からは未曾有の国難に際しても任命拒否を明らかにせよと迫る以外の活動が報じられない。免疫、公衆衛生、統計学等の少壮学者が轡を並べているであろうことを思えば、何らかの提言や行動があるべきであるように思うが、我々の知らないところでは必死の活躍を続けられておられるのだろうか。