生放送のニュースショウで、ブラマヨ吉田氏のコメントを聞いた。
テーマは「総務省官僚の接待」であったが、MCからコメントを求められた「ブラックマヨネーズ」の吉田敬氏が、「そんな国会質疑は5時から残業でやればいい」と発言した。
おそらくであるが、彼をキャスティングした番組制作者の意図は、生放送であるがゆえに尖鋭化・加熱しすぎた場面で「お笑いコメント」を投げかけて、出演者の頭を冷やす役割であろうと思うが、冒頭のコメントはそれ以上の含蓄に富んでいるように思われる。
テレビで見る限り、接待問題を追及する予算員会には委員の他に答弁者として多くの閣僚と随員が居並び、その他にも質問主意書に無い質問に備えて多くの官僚が各所で待機しているものと考えるので予算員会運営の時間単価は。1000万円以上となるのではないだろうか。そんな高額の費用をかけて、7万円の会食のメニューを問い質す愚問を繰り返すことが果たして立法府の、それも与野党の精鋭が集結した予算員会の任務だろうか。
官僚の綱紀粛正は重要なことではあるが、日本の現状はバイデン政権への対処、香港・ウィグルの人権、竹島近海における韓国の無法行為、徴用工問題対処、五輪対処・・等々、将に難題山積の状況であることを思えば、それらに勝る重要性と緊急性は無いと思っている。
北京五輪の開催地変更(ボイコットを含む)要求のように、アメリカでは政府の尻を叩く又は政府方針を明らかにさせるために、議員は議会に決議案を提出してその成立に全力を挙げる。決議が成立しても法的な効力・拘束力は持たないが、代議士(国民)の意志であれば行政(大統領)も全く無視するわけにはいかないことになる。
現在、西側社会では中国のウィグル族撫順政策をジュノサイドと規定することがトレンドであるが、尖閣問題を抱えるとともに中国の部品とレアアース供給網に組み込まれた製造業のために日本政府が及び腰であることを「百歩譲って致し方ない」としても、与野党の何れもウイグル族救済に手をこまねいている。日本の国会に与野党議員が提出するのはせいぜい問責決議案や辞職勧告決議案であることから、議員諸氏にとってはは国内それも票に繋がる一部のファンの溜飲をなだめること以外思慮の外であるように思える。
ブラックマヨネーズはM1を制した芸達者で、特に吉田氏の「チョット裏から覗く発想と軽妙な表現」は秀逸であると思っている。今回の表現も、官僚接待は重要ではあるが予算委員会の総力を傾けて議論すべき内容ではなく、かつ、多くの正常な国民は彼等に喫緊のテーマでの論戦を期待していることを「残業」と表現したもので、実に予算委員会の核心をついているように思える。