適格退職年金の積立金(=年金資産)が、自己都合要支給額を上回っている
ケースがあります。
適年の移行先を企業型・確定拠出年金や中小企業退職金共済にすると、自己
都合退職金以上の金額が従業員へ分配されてしまいます。
これは、事業主からすると、好ましい状況ではありません。
適格退職年金制度では、定年退職金を目指して、数理計算し、積立を行って
いきます。従業員の勤続年数が短かったり、退職金の支給率が会社都合(定年
時の支給率)と自己都合で開きがある場合に、運用難が続いたにもかかわらず、
適年の積立金が自己都合要支給額を上回ることがあります。
このようなケースでは、退職金制度を見直して、作り変えることが考えられます。
もうひとつの方法は、適年の保険料の支払いを、積立金が要支給額と同額になる
まで、適年の保険料を払うのをやめてしまうことです。
払済保険にするという手続きをとります。
払済保険の問題点は、適年の積立金が要支給額と同額になった時に解約して、
企業型DCや中退共に移行する時、保険料の支払いを止めていた分の保険料を
一括して支払うように、保険会社から求められることもあることです。
確定拠出年金の、ある運営管理機関の方のお話では、解約時に払済期間中の
保険料の一括支払いを求めてくる保険会社と、それは問わない会社があるそう
です。
払済期間中の保険料を後で一括で払っては、何の効果もありません。
保険会社との交渉が必要ということです。
適年の積立金が要支給額以上の場合は、とにかく早めに手を打ってほうが
いいです。今すぐ着手でないと間に合わないですよ