褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 グリーン・ゾーン(2010) イラク戦争批判主張映画

2011年04月04日 | 映画(か行)
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 アカデミー作品賞を受賞したハート・ロッカー、ロバート・レッドフォードが監督した大いなる陰謀、社会派作品の名作クラッシュのポール・ハギス監督、トミー・リー・ジョーンズ主演の告発のとき等ここに来てイラク戦争に対する反戦映画的な作品が登場してきた。

 アメリカがイラク戦争に突入した大義名分が大量破壊兵器の撲滅だったが、今となっては世界中の誰もがイラクに大量破壊兵器が存在しなかったことは知っている。そして楽勝でイラクに侵攻し、簡単にサダム・フセインを見付け出したのは良いが、かんじんのイラク国内は治安が悪化してしまい、独裁政権が終わってもなかなか議会政治が機能しないという悪循環に陥ってしまっている。
 本当にイラク戦争は一体何のための戦争だったのだろうかと思う人はたくさんいるに違いない。1人の政治家の野望のためだけに死んでいったアメリカ兵達が可哀想で涙が出そうになる。
 当然戦争を仕掛けていったアメリカの人達からもイラク戦争を批判する人が出てくるわけだが、その結果が前述した反戦を唱えた映画がたくさん生まれてくるし、ハート・ロッカーにおいてはアカデミー作品賞まで受賞してしまうわけだ。

 しかし、ハート・ロッカーにしても他の前述した作品においても内容は暗く、地味、後味が悪いといった感は否めない。やっぱり映画を観るには社会派性を保ちながらもアクション的な娯楽性を求めたいという映画ファンはたくさんいるはず。そんな人にお勧めしたいのが今回紹介するグリーン・ゾーン

 グリーン・ゾーンでは完全にイラク戦争突入時の担当政権だった共和党及びブッシュ前大統領を大声で批判し、大量破壊兵器の撲滅は嘘だったことを声高々に叫んでいる。そんなメッセージ性を訴えながらも人気者のマット・デイモンを主演に起用し、リアルな戦場シーンを再現しているように非常に爆発、アクションが楽しめる娯楽映画として申し分ない。

 ちなみに監督はボーン・スプレマシーボーン・アルティメイタムのボーンシリーズで大ヒットをかっ飛ばしたポール・グリーングラス
 ボーンシリーズにおける主演はマット・デイモンだから、今回のグリーン・ゾーンで再びタッグを結成したということになる。

 しかし、ポール・グリーングラス監督の映像表現は僕みたいな中年以上のおっさんには非常に覚悟がいる。ボーン・スプレマシーでも見られるスピード感が溢れるカメラワークと言えば非常に格好良いが、実はあの映画における格闘のシーンはカメラが動きまくって何が何だかさっぱりわからなかった。
 しかし、予めグリーン・ゾーンを観る前にその事を知っていた僕は意外にこの激しい動きのするカメラワークがいけるじゃんと思ったりするのだから人間の頭の中なんかは本当にいい加減だなと思う。だから30歳以上の動体視力の落ちている人も充分に楽しめるグリーン・ゾーンを紹介します

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グレッグ・キニア,マット・デイモン,ブレンダン・グリーソン,エイミー・ライアン,ジェイソン・アイザックス
ジェネオン・ユニバーサル


 イラクの首都バクダットは既にアメリカを中心とする連合軍によって陥落していた。アメリカ軍のMET隊の隊長であるミラー(マット・デイモン)は大量破壊兵器を発見するという任務に就いていたが、なかなか大量破壊兵器を発見することが出来ずにイラついていた。ミラー(デイモン)は大量破壊兵器の発見場所を指示してくる情報源に対して不信を抱き、次第に誰が情報源なのか知りたくなる。

 ミラー(デイモン)は任務遂行中に英語を話せるイラク人のフレディと名乗る男と出会う。ミラー(デイモン)はフレディから近くの場所でイラク政府の高官たちが会議をしていたという情報を得る。ミラー(デイモン)は早速フレディからの情報を元にイラク政府の高官たちが会議をしている場所を襲撃。
 そこでミラー(デイモン)はフセインの最高幹部のアル・ラウィ将軍の部下であるザイードを捕まえ、さらにアル・ラウィ将軍の隠れ場所が記されている手帳を手に入れる。

 ミラー(デイモン)がサイードを尋問して大量破壊武器の存在する場所を吐かせようとするが、そこへアメリカ陸軍のブリックス少佐(ジェイソン・アイザックス)が現れ、強引にサイードを連れ去られる。

 ミラー(デイモン)は同じく大量破壊兵器の発見の作戦に疑問を持っている中東担当のCIAのブラウン(ブレンダン・グリーソン)と手を組み大量破壊兵器発見の情報源を探り出そうとするが、そこにはアメリカ国防総省の思惑、更にマスコミ関係、イラク国内事情など様々な問題がミラー(デイモン)の前に立ち塞がるが・・・ミラー(デイモン)がアル・ラウィ将軍の隠れ場所を探し出そうとし、さらにブリックス少佐(アイザックス)を中心とするアメリカ陸軍に追われるという、まさにボーンシリーズ並みのスリルある展開は映画を観てください




 軍隊は一致団結して戦っているが、官僚たちの自己利益のために様々な利権が絡むというスタイルはどうやら日本と同様で世界基準らしい。この映画で大量破壊兵器を見つけ出すという上からの命令を忠実に遂行しようとするマット・デイモンが哀れに見える。
 よくある戦争映画に見られる戦場の恐ろしさを描いた作品と言うだけでなく、その中味は政府、マスコミ、利権、イラク国内問題など意外に奥の深い内容。単なるノー天気なアクション映画は嫌いだという人にこそお勧めできる映画です

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