褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ある公爵夫人の生涯(2008) 歴史映画が好きな人にはお勧めか?

2011年04月11日 | 映画(あ行)
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 西欧の歴史を描いた映画を観ると貴族がよく出てくるが、彼らの豪華な衣装や暮らしぶりを見るとその贅沢さに驚く。しかもそのような贅沢な暮らしをしている伯爵、男爵、公爵がヨーロッパ中にウヨウヨいるから彼らの存在が国家の財政を圧迫しているし、そのような貴族社会が滅んでいくのは当然だということがよくわかる。
 日本の皇室がどうして現在まで2,000年以上に渡り続いているのか、ヨーロッパ中に散らばる貴族の贅沢な暮らしを反面教師にして考えれば納得する人も多いのでは無いだろうか。

 本当に貴族というのは優雅な暮らしをしているように見えるし、毎日きっと悩みなんかは無いんだろうな、僕ももし貴族だったらきっと毎日が楽しくて楽しくて・・・と想像していたが、実は貴族社会というのは本当は凄いプレッシャーのかかる世界だったということに今回紹介するある公爵夫人の生涯を観ると気付く事になる。

 由緒ある貴族の家庭に嫁ぐことは女性にとって非常に有意義なものであるし、また嫁ぐ娘さんの親にとっても自慢できること。ところが結婚してからの貴族家の苦悩は相当だ。男の子に恵まれなければ由緒ある貴族の世界に嫁いでもゴミ扱い。どれだけ女の子を産んでも全くの役立たず同然の扱い。
 今はフェミニズムという言葉をあちこちで聞くようにすっかり男性の立場は隅っこに追いやられているが、中世から近代に移行する保守的なイギリスにおける女性の立場がこの映画を見ているとよくわかる。

 当時のイギリスは女性には参政権が無く、そして男の子を産めない女性は失格の烙印をおされるような時代。そんな時代に実在した女性のデヴォンシャー公爵夫人の苦悩と愛がメインテーマ。

 この映画を観た女性は間違いなく”やっぱり昔の女性は酷い扱いを受けていたんだ”という感想を持つだろう。そこには愛は無いし、由緒のある貴族の男性という理由で10代で結婚させられ、しかも妊娠して生まれた子供が女の子だと罵倒される。そして旦那は自分の友達の女性を家に引き連れて浮気をしている。
 確かにこの内容は女性軽視に取られても仕方が無い。

 だけど男性の僕は少し違った視線でこの映画を観た。貴族にとって跡取りの問題がいかに大きいかを思うのである。この問題の大きさを理解しようとすればするほどキーラ・ナイトレイのような美しい女性が妻であっても浮気をしてしまうレイフ・ファインズの気持ちがよくわかるのだ

 歴史映画の醍醐味と言えばそのヨーロッパの豪邸、派手な衣装。そしてキーラ・ナイトレイの綺麗さなど視覚効果抜群のある公爵夫人の生涯を紹介します

ある公爵夫人の生涯 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
キーラ・ナイトレイ,レイフ・ファインズ,シャーロット・ランプリング,ドミニク・クーパー,ヘイレイ・アトウェル
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 18世紀後半のイギリスにおいて。貴族スペンサー家のジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は母(シャーロット・ランプリング)から結婚相手が決まったことの報告を受ける。結婚相手は由緒ある名門貴族のデヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)。
 まだジョージアナ(ナイトレイ)は17歳。しかも彼女はデヴォンシャー公爵(ファインズ)とは2回しか顔を会わせたことが無かった。

 デヴォンシャー公爵(ファインズ)とジョージアナ(ナイトレイ)の仲にそれほどの愛は無く、デヴォンシャー公爵(ファインズ)の頭の中は自分の世継ぎのことだけ。しかも、デヴォンシャー公爵(ファインズ)のかつての愛人とのあいだにできた娘の世話をジョージアナ(ナイトレイ)は押し付けられ、2人のあいだにできた子供は2人とも娘だった。

 ジョージアナ(ナイトレイ)は美人で、彼女のファッションはイギリスの女性たちからは注目の的。社交界の中でも目立つジョージアナ(ナイトレイ)とデヴォンシャー公爵(ファインズ)のゴシップはたちまちイギリス中を駆け回る存在だ。

 空虚な結婚生活を強いられているジョージアナ(ナイトレイ)だったがバツイチの女性で息子が3人居るフォスター(ヘイリー・アトウェル)と親しくなる。ところが夫のデヴォンシャー公爵(ファインズ)がフォスター(アトウェル)を愛人にしてしまう。ショックを受けるジョージアナ(ナイトレイ)だったが、豪邸で3人は一緒に暮らすことになる。
 
 夫と夫の愛人との生活に苛立ち始めたジョージアナ(ナイトレイ)は、若い政治家のチャールズ・グレイドミニク・クーパー)と出会い、彼の選挙活動を手伝う事をきっかけに2人は恋に落ちる。
 やがてジョージアナ(ナイトレイ)はチャールズ・グレイ(クーパー)の子供を妊娠してしまい・・・なかなかのデヴォンシャー公爵夫人ことジョージアナの波乱の人生の展開は映画を観てください




 貴族にとって先祖代々続いてきた家系を絶やしてはいけないプレッシャーは相当なもの。男の子が生まれないために夫婦仲が危機になる状況は貴族社会を描いている映画らしさを感じる。日本人にとってはとっつきにくい題材のテーマかもしれない。
 しかし、歴史劇映画の見どころは先述しているように登場人物の豪華な衣装を見て、自分もリッチな気分になれることそういう意味では貧乏性な僕には大いに楽しめた映画です

 ちなみにこの映画の主演のキーラ・ナイトレイパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズでもすっかり有名な大スター。まだまだ若いし、今後も非常に楽しみな女優さんです。
 

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映画 マンダレイ(2005) 明確なメッセージが伝わってくる映画

2011年04月11日 | 映画(ま行)
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 鬼才と呼ばれる映画監督は多いけれど、その中でもぶっ飛んでいるのがラース・フォン・トリアー監督だろう。

 あまりにも奔放な表現方法、不快指数がマックスに達しそうな内容など彼の監督作品は賛否両論、好き嫌いがはっきり分かれる。
 ちなみに僕が彼の映画で最も好きなのが奇跡の海愛する人のためにどんどん不幸になっていく女性が主人公だけれど、ラストで見せる最大不幸の中にほんの僅かな希望の光が見える。現実性の無い幸福論ばかり語る詐欺まがいの映画よりも、個人的には極めて現実的?な内容の奇跡の海は観たことが無い人にはぜひお勧めしたい映画だ。

 他にも彼の映画ではダンサー・イン・ザ・ダークも賛否両論はあるだろうがお勧めしたい映画。僕はミュージカル映画は嫌いなのだが、この映画の主人公のビョークの心震える歌声が素晴らしいこともあり非常に気に入っている作品。この映画こそ暗闇の中にほんの少しの希望の光が見ることが出来る映画。ミュージカルシーンの使い方、可哀想すぎるビョーク演じる女性主人公、強烈なラストシーンはまさにラース・フォン・トリアー監督の凄さの表れだと思う。

 そして映像表現という点では良い悪いは別にして他の映画とは一線を画す人気女優のニコール・キッドマンを主演に迎えたドッグヴィルも印象深い。表は善良な顔をした偽善的姿を暴いたこの作品は毎度同じような映画ばかりに飽きている人にはお勧めしたい作品。しかし、3時間の長時間映画なので時間的余裕のある人限定作品。

 そんなドッグヴィルの続編映画が今回紹介するマンダレイです。続編とはいえ主人公がニコール・キッドマンからブライ・ダラス・ハワードに替わっているし、仮にドッグヴィルを観ていなくても大丈夫の作品です。
 映画監督には自らの思想を表現する人は多々いる。例えばオリバー・ストーン、マーティン・スコセッシ等はその代表的監督。しかし、自らの思想をここまで明確に主張しているという点ではマンダレイは気持ち良いぐらいラース・フォン・トリアー監督の思想がわかる映画。
 独裁者が支配する世界、個人の表現が制限される世界が非難されるのは当然。そして民衆の意見が反映される民主主義、個人の考えを表現する自由は人間社会において当然の世界だと思ったりするのは僕以外にもそのように考える人は多いのではないだろうか
 更に僕なんかは民主主義自由を高らかに叫ぶ歴代大統領の姿の格好良さには惚れ惚れする。
 ところがそんな民主主義自由を謳いあげるアメリカ社会の矛盾を突いたマンダレイを紹介します

マンダレイ デラックス版 [DVD]
ブライス・ダラス・ハワード,ダニー・グローヴァー,ウィレム・デフォー,ローレン・バコール,クロエ・セヴィニー
ジェネオン エンタテインメント


 ドッグヴィルを出たグレース(ブライ・ダラス・ハワード)と父親でギャングのボス(ウイレム・デフォー)とその一行はアメリカ南部のマンダレイという大農園に辿り着く。このマンダレイで行われている世界は70年前に廃止されていたはずの黒人奴隷社会。グレース(ハワード)は黒人の使用人であるティモシー(イザック・ド・バンコレ)が鞭打ちの刑に遭っているのを目にする。グレース(ハワード)は連れていたギャングの力を使って鞭打ちを止めさせる。

 グレース(ハワード)は自らの正義感から父親(デフォー)の反対を押し切り、マンダレイの白人から虐げられている黒人たちに自立する意識を高めようとする。ところが白人という支配者を失った黒人達はいざ命令してくれる人が居ないと何をして良いのかわからないし、何も実行できない。
 グレース(ハワード)はマンダレイの黒人たちを集めて毎日会議をすることを提案し、その会議で多数決による民主主義の論理、そして自らの意見を主張する素晴らしさを彼らに教えていく。

 ところがマンダレイの黒人達のためだと信じたグレース(ハワード)の理想は、やがて自らを苦しめることになり・・・グレース(ハワード)の主張する民主主義、自由によって自らを益々苦しめていく展開はぜひ映画を観てください



 その国、地方、民族等によって昔からの伝統的に行われている事に対して、自分勝手な論理を持ち込んだり、また急激な社会変化を求めることの愚かさが非常にわかりやすく描かれている。誰にでもわかりやすい黒人奴隷制度という背景に焦点を当てたことがラース・フォン・トリアー監督のアイデアの上手いところ。
 しかし、急激な社会構造によってもたらす弊害というのはこの映画だけの世界ではないかもしれない。日本の政治の世界において地域政党の何とか構想というものが急激にクローズアップされており、その体制を早急に実現させるために独裁的?な手法で実現させようとする動きがある。
 民主主義の国家においては一つの制度を実現させるのには時間が掛かるし、そのことは民主主義の下に暮らす人々はもっと認識するべきです。

 ちなみに主演のブライ・ダラス・ハワードはM・ナイト・シャマラン監督のヴィレッジレディ・イン・ザ・ウォーターの2作品に主演していたあの女優さんです。あの2作品ではまるでオーラの無い女優さんだと思っていたのに、今回の映画においては綺麗に見えたので非常に驚きました


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