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西欧の歴史を描いた映画を観ると貴族がよく出てくるが、彼らの豪華な衣装や暮らしぶりを見るとその贅沢さに驚く。しかもそのような贅沢な暮らしをしている伯爵、男爵、公爵がヨーロッパ中にウヨウヨいるから彼らの存在が国家の財政を圧迫しているし、そのような貴族社会が滅んでいくのは当然だということがよくわかる。
日本の皇室がどうして現在まで2,000年以上に渡り続いているのか、ヨーロッパ中に散らばる貴族の贅沢な暮らしを反面教師にして考えれば納得する人も多いのでは無いだろうか。
本当に貴族というのは優雅な暮らしをしているように見えるし、毎日きっと悩みなんかは無いんだろうな、僕ももし貴族だったらきっと毎日が楽しくて楽しくて・・・と想像していたが、実は貴族社会というのは本当は凄いプレッシャーのかかる世界だったということに今回紹介するある公爵夫人の生涯を観ると気付く事になる。
由緒ある貴族の家庭に嫁ぐことは女性にとって非常に有意義なものであるし、また嫁ぐ娘さんの親にとっても自慢できること。ところが結婚してからの貴族家の苦悩は相当だ。男の子に恵まれなければ由緒ある貴族の世界に嫁いでもゴミ扱い。どれだけ女の子を産んでも全くの役立たず同然の扱い。
今はフェミニズムという言葉をあちこちで聞くようにすっかり男性の立場は隅っこに追いやられているが、中世から近代に移行する保守的なイギリスにおける女性の立場がこの映画を見ているとよくわかる。
当時のイギリスは女性には参政権が無く、そして男の子を産めない女性は失格の烙印をおされるような時代。そんな時代に実在した女性のデヴォンシャー公爵夫人の苦悩と愛がメインテーマ。
この映画を観た女性は間違いなく”やっぱり昔の女性は酷い扱いを受けていたんだ”という感想を持つだろう。そこには愛は無いし、由緒のある貴族の男性という理由で10代で結婚させられ、しかも妊娠して生まれた子供が女の子だと罵倒される。そして旦那は自分の友達の女性を家に引き連れて浮気をしている。
確かにこの内容は女性軽視に取られても仕方が無い。
だけど男性の僕は少し違った視線でこの映画を観た。貴族にとって跡取りの問題がいかに大きいかを思うのである。この問題の大きさを理解しようとすればするほどキーラ・ナイトレイのような美しい女性が妻であっても浮気をしてしまうレイフ・ファインズの気持ちがよくわかるのだ
歴史映画の醍醐味と言えばそのヨーロッパの豪邸、派手な衣装。そしてキーラ・ナイトレイの綺麗さなど視覚効果抜群のある公爵夫人の生涯を紹介します
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キーラ・ナイトレイ,レイフ・ファインズ,シャーロット・ランプリング,ドミニク・クーパー,ヘイレイ・アトウェル | |
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18世紀後半のイギリスにおいて。貴族スペンサー家のジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は母(シャーロット・ランプリング)から結婚相手が決まったことの報告を受ける。結婚相手は由緒ある名門貴族のデヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)。
まだジョージアナ(ナイトレイ)は17歳。しかも彼女はデヴォンシャー公爵(ファインズ)とは2回しか顔を会わせたことが無かった。
デヴォンシャー公爵(ファインズ)とジョージアナ(ナイトレイ)の仲にそれほどの愛は無く、デヴォンシャー公爵(ファインズ)の頭の中は自分の世継ぎのことだけ。しかも、デヴォンシャー公爵(ファインズ)のかつての愛人とのあいだにできた娘の世話をジョージアナ(ナイトレイ)は押し付けられ、2人のあいだにできた子供は2人とも娘だった。
ジョージアナ(ナイトレイ)は美人で、彼女のファッションはイギリスの女性たちからは注目の的。社交界の中でも目立つジョージアナ(ナイトレイ)とデヴォンシャー公爵(ファインズ)のゴシップはたちまちイギリス中を駆け回る存在だ。
空虚な結婚生活を強いられているジョージアナ(ナイトレイ)だったがバツイチの女性で息子が3人居るフォスター(ヘイリー・アトウェル)と親しくなる。ところが夫のデヴォンシャー公爵(ファインズ)がフォスター(アトウェル)を愛人にしてしまう。ショックを受けるジョージアナ(ナイトレイ)だったが、豪邸で3人は一緒に暮らすことになる。
夫と夫の愛人との生活に苛立ち始めたジョージアナ(ナイトレイ)は、若い政治家のチャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)と出会い、彼の選挙活動を手伝う事をきっかけに2人は恋に落ちる。
やがてジョージアナ(ナイトレイ)はチャールズ・グレイ(クーパー)の子供を妊娠してしまい・・・なかなかのデヴォンシャー公爵夫人ことジョージアナの波乱の人生の展開は映画を観てください
貴族にとって先祖代々続いてきた家系を絶やしてはいけないプレッシャーは相当なもの。男の子が生まれないために夫婦仲が危機になる状況は貴族社会を描いている映画らしさを感じる。日本人にとってはとっつきにくい題材のテーマかもしれない。
しかし、歴史劇映画の見どころは先述しているように登場人物の豪華な衣装を見て、自分もリッチな気分になれることそういう意味では貧乏性な僕には大いに楽しめた映画です
ちなみにこの映画の主演のキーラ・ナイトレイはパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズでもすっかり有名な大スター。まだまだ若いし、今後も非常に楽しみな女優さんです。
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