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残酷な内容の映画はたくさんあるけれど、女性が強姦されたり、暴力を受けたりという内容の映画が最も残酷というより、悲惨な気がする。そして更に・・・が絡むと究極的に追い詰められた女性を描いた作品が今回紹介する題名のない子守唄
冒頭からエロく、過激な映像が所々で挿入されて、しかもどこか悲しくもミステリアスの表情をした女性が写される。僕はこの映画のテーマはこの女性の正体が一体何者であるか?を探るミステリー映画だと思っていたのだが、実際はそんな陳腐な内容ではなく、観終わった後にジワジワと大きな感動が迫ってくる大傑作映画。
女性が強姦され、暴力を受けるという事を聞くとアダルト映画しか想像できない人も居ると思うが、実際は多くの女性が共感できる内容のはず?であり、そしてこの主人公である女性の不可解な行動も納得できるし、人生に大きな希望を見出すことのできる仕組みの映画です。
ちなみに監督はニューシネマ・パラダイスで名匠の地位を獲得し、マレーナや海の上のピアニストといった作品でも感動したと言う人が続出のジュゼッペ・トルナトーレ
今回紹介する題名のない子守唄は前述したジュゼッペ・トルナトーレ監督の作風とガラリ変っているが名匠はどのようなジャンルの映画を撮っても上手いなあと改めて感じる。そして相変わらずこの人の映画の音楽は良いです。今回も他の作品以上にガンガン音楽でストーリーを盛り上げています
ボロボロに追い込まれながらも、人生に希望の光を見出せる題名のない子守唄を紹介します
題名のない子守唄 [DVD] | |
ピエラ・デッリ・エスポスティ,クラウディア・ジュリーニ,クセニア・ラパポルト,ミケーレ・プラチド | |
Happinet(SB)(D) |
ウクライナから北イタリアのトリエステにイレーナ(クセニア・ラパポルト)がやって来る。
イレーナ(ラボパルト)は何故か金銭的に条件が悪く、貴金属商を営むアダケル家の前にあるアパートにこだわり、そこに住居を構える。イレーナ(ラボパルト)はアダケル家に週3日ほどの掃除屋さんとして入り込むが、それだけでは飽き足らず、彼女は前から仕えていた家政婦さんを階段から突き飛ばして、アダケル家にほとんど毎日入り込める家政婦になる。
次第にイレーナ(ラボパルト)はアダケル家の夫妻から信頼を得るようになり、その娘のテアとも仲良くなる事に成功。しかし、一方でイレーナ(ラボパルト)はアダケル家の中で何かを物色していた。
やがてイレーナ(ラボパルト)の住んでいるアパートはやがて何者かに荒らされたり、無言電話がかかってくるようになる。そしてクリスマスの夜にイレーナ(ラボパルト)は見ず知らずの男2人組みから暴行を受ける。またアダケル家においてもイレーナ(ラボパルト)を家政婦に雇ってから不審な出来事が度々起こり、アダケル家からイレーナ(ラボパルト)はクビを通告されてしまう。
そんな時にイレーナ(ラボパルト)の前に、太った男通称黒カビ(ミケーレ・プラチド)が現われる。イレーナ(ラボパルト)と黒かび(プラチド)はかつてのウクライナから繋がりがあり、実は黒かび(プラチド)はイレーナ(ラボパルト)を追ってやって来たのだが、2人の関係は・・・イレーナ(ラボパルト)の次第に明かされる可哀想すぎる人生と予想外の展開は映画を観てください
イレーナ(ラボパルト)のトリエステに来てからと、彼女のウクライナに居た時の出来事が交互にフラッシュバックされていて、最初はイレーナ(ラボパルト)が何者かよくわからないが次第に彼女の正体が明らかにされ、更にイレーナ(ラボパルト)の不可解な行動の理由がわかるようになっている。
イレーナ(ラボパルト)がどうしてアダケル家の家政婦になるためにそこまでするのか、またアダケル家の娘のテアに対する理不尽な行動。これらの行動の理由を知った時大きく納得できるし、いつまでも不幸の影が付きまとうことに対しての彼女の大きな決心は僕にはよく理解できる。
全体的に残酷な描写、とことん盛り上げる音楽のせいもあり、くら~い気分になりますが観終わった後は人生に大きな希望を見出せるお勧めの映画です
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