褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 白いリボン(2009) 謎だらけのミステリー

2013年03月06日 | 映画(さ行)
 ショッキングなシーンを見せつけ、観るものに不快感を与える作品を撮り続ける鬼才ミヒャエル・ハネケ監督。しかし、今回紹介する白いリボンは全編を美しいモノクロの映像で通し、時に美しい音楽が流れる高尚な映画・・・のように見える。見た目は高尚だが、内容は次々に怪事件が起こり、しかも殆んどが未解決で終わってしまう不親切な設計の映画。観終わった後にスッキリしない気分にさせる作風は流石はミヒャエル・ハネケ監督だ。

 モノクロの映像の美しさは格別だが、どこかモヤモヤさせる気分になってしまうストーリーとは如何なるものか?
 第一次世界大戦勃発前の北ドイツの村が舞台。意図的に張られた針金によって落馬して大きな怪我をした、その村のドクター。その事件以来、村では次々と怪事件が起きる。犯人は全くわからず、村中の人々の心は疑心暗鬼に包まれる。果たして犯人は誰か?またその目的は?それは更なる悲劇への連鎖に過ぎないのであった

 タイトルの白いリボンの意味するところは、子供たちの腕に純真無垢である願いを込められて巻かれる白いリボンのこと。果たしてこのタイトルに込められているミヒャエル・ハネケ監督の想いとは何かを考えさせれる映画だ。しかし、その想いは恐らく多くの人には伝わらない。勿論、俺もよくわからない

 さて、この映画の舞台となる村だが、大地主である男爵、敬虔なプロテスタントである牧師が居るが、この2人が経済的、精神的に村を強大な権力をもってして支配している。この2人には小作人を始め、村の住人達は全く逆らえない。子供たちも牧師から教えを受けていると言うよりも、強圧的に支配されてしまっていると言った方が当てはまるだろう。そんな村の構図、そして結末からはヨーロッパの恐ろしい歴史の悪夢が想像できるではないか。

 傲慢な大人達の様子、純真無垢であるように見える子供達の意味深な行動。それらは観ていて、気持ちが良いものではない。大人が大人ならば、悪い大人の影響を受けてしまった子供も子供。なんだかロクな人間が全く出てこない印象もあるが、実はこの映画のストーリーは、この村に新任教師としてやって来た若い男の語りで進む。
 大事な場面では、この新任教師が殆んど関わっていない感じがするが、唯一この新任教師がマトモな存在。しかし、そんなマトモな存在をもってしてもこの映画においては一服の清涼剤の役割も果たしていない。主役であるはずのこの新任教師の役割は一体何だったのか?
 あれやこれや色々と深読みしたくなる白いリボンはミヒャエル・ハネケ監督作品としては、えげつないシーンも無いので比較的観やすいマトモな映画です

白いリボン [DVD]
ミヒャエル・ハネケ
紀伊國屋書店


 監督は前述したようにオーストリア出身のミヒャエル・ハネケ。最新作の愛、アムールも大好評で絶好調の監督。
 彼のお勧め作品はファニー・ゲーム。2回も観たくなる映画では無いですが、1回は観ておきたい映画。なかなかインパクトのある映画です。
 他に食卓に置いてある食べ物を見ているだけでも楽しくなってくる?セブンス・コンチネント、途中のワンシーンには吃驚するフランスを舞台にした社会派作品隠された記憶あたりが個人的にお勧めです

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