誰にでもなじみのある諺の1つに火の無い所には煙が立たぬというのがある。その意味は『まったく根拠がなければうわさは立たない。うわさが立つからには、なんらかの根拠があるはずだということ。』(goo辞書参照)。俺もずいぶん昔に聞かされ、意味を知った時はなるほど!と思った。しかも親や先生から怒られた時によく聞かされたし、俺もその通りだよな~と妙に納得したものだ。しかし、最近はどうもこの諺の信憑性を疑っている。近頃は、火が無くても煙を起こすことなど簡単に出来てしまうようだ。
まあ、俺なんかは満員電車に乗るときは痴漢に間違えられないように、わざわざ両手で吊革を持つようにしているのだが、それでも側に居た女性から『この人痴漢なんです』なんて叫ばれたら、俺はやっぱり周囲から疑いの目を向けられるだろう。
男性諸君にとっては、とにかく満員電車には乗るな、という教訓を得られる映画が今回紹介する映画偽りなき者。あらぬ疑惑を掛けられてしまったために、人生最大のピンチに陥ってしまった男のドラマ。ある小さな村において、周囲から孤立し、親友からも信頼されず、理不尽な暴力を受け、飼っていた犬は悲惨な目に遭い・・・次から次へと、これでもかと困難な出来事が主人公の男の身に降りかかってくる。そんな状況において、この主人公が取った選択は如何なる結果をもたらすのか?ちなみに俺がこんな目に遭ったら、間違いなく遠い場所へ引越しだ。
さて、ホラー映画などより、よっぽど身近に感じ、リアルな出来事が題材なだけに余計に怖く感じるストーリー紹介を簡単に。
デンマークの小さな村において。私生活がゴタゴタ続きだったルーカス(マッツ・ミケルセン)だったが、ようやく幼稚園の教師の職を得て、安定した生活を取り戻しつつあった。しかし、ある日のこと、ルーカス(マッツ・ミケルセン)の親友のテオ(トマス・ボー・ラーセン)の娘である5歳ぐらいの少女クララ(アニカ・ヴィタコプ)がとんでもないことを言い出す(内容はここでは書けません)。
クララ(アニカ・ヴィタコプ)の言ったことは、作り話の類であったが、周りの大人達、そしてテオ(トマス・ボー・ラーセン)もすっかり信じきってしまい、ルーカス(マッツ・ミケルセン)は村中で変態扱い。そもそもクララ(アニカ・ヴィタコプ)はルーカス(マッツ・ミケルセン)の優しさを知っており、彼の事に好感を持っていたのに、なぜルーカス((マッツ・ミケルセン))を陥れるようなことを言い出したのか
最初こそ静かに耐えていたのだが、村中の人間からの嫌がらせはエスカレートするばかり。ルーカス(マッツ・ミケルセン)は自らの尊厳を取り戻すために行動を起こすのだが・・・
それにしても、この映画に登場する大人達はバカばっかり。確かに5歳ぐらいの女の子が嘘を言うなんて思わないが、こんなにも血のつながっていない人間同士の絆とは簡単に切れてしまう物なのか?ちなみに本作は世界一幸福度の高い国デンマークの映画。この映画のどこに幸福を感じることができる部分があったのか俺には思い出せない。
ハリウッド映画と違い、大げさな描写は無い。しかし、絶望感すら漂う主人公に対する不条理すぎる展開は目が離せないし、そして親子の絆の固さに大いに感動できる。満員電車のシーンなんて実は一切無いのだが、それでも冤罪について大いに考えさせれるテーマが日常においてたくさん転がっていることがよくわかる。
なんだか大味なハリウッド映画は見飽きた人、ちょっとばかり社会性のメッセージが込められた作品を観て賢くなった気分を味わいたい人、デンマーク映画はレベルが高いことを知っている人、そして主役がマッツ・ミケルセンと聞いて心が躍る女性ファンにはお勧めだ
監督はトマス・ヴィンターベア。デンマーク映画のレベルの高さを世界中に広める担い手として今後も活躍が期待できる。この監督のお勧めは、ちょっとマニアックな内容ですがラストの銃撃戦は楽しいディア・ウェンディ、いくらデンマークが社会福祉が発達していると言っても、やっぱり働かないと生きていけないことがわかる光のほうへ。
比較的寡作ですがまだ年齢は40歳台半ば、今後は大いに活躍しそうな才能溢れる映画監督です。
主演はマッツ・ミケルセン。ハリウッド映画の大作で見かける時がありますが、やっぱりデンマークで主役級の役を演じると奥の深い演技を見せてくれます。
この人のお勧めはスサンネ・ビア監督の個人的には最も好きな恋愛映画のしあわせな孤独、同じくスサンネ・ビア監督のアフター・ウェディング、ナチスドイツに対するレジスタンスを描いた誰がため、珍しく悪役を演じているダニエル・クレイグ主演の007 カジノ・ロワイヤルもお勧め。
にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします
まあ、俺なんかは満員電車に乗るときは痴漢に間違えられないように、わざわざ両手で吊革を持つようにしているのだが、それでも側に居た女性から『この人痴漢なんです』なんて叫ばれたら、俺はやっぱり周囲から疑いの目を向けられるだろう。
男性諸君にとっては、とにかく満員電車には乗るな、という教訓を得られる映画が今回紹介する映画偽りなき者。あらぬ疑惑を掛けられてしまったために、人生最大のピンチに陥ってしまった男のドラマ。ある小さな村において、周囲から孤立し、親友からも信頼されず、理不尽な暴力を受け、飼っていた犬は悲惨な目に遭い・・・次から次へと、これでもかと困難な出来事が主人公の男の身に降りかかってくる。そんな状況において、この主人公が取った選択は如何なる結果をもたらすのか?ちなみに俺がこんな目に遭ったら、間違いなく遠い場所へ引越しだ。
さて、ホラー映画などより、よっぽど身近に感じ、リアルな出来事が題材なだけに余計に怖く感じるストーリー紹介を簡単に。
デンマークの小さな村において。私生活がゴタゴタ続きだったルーカス(マッツ・ミケルセン)だったが、ようやく幼稚園の教師の職を得て、安定した生活を取り戻しつつあった。しかし、ある日のこと、ルーカス(マッツ・ミケルセン)の親友のテオ(トマス・ボー・ラーセン)の娘である5歳ぐらいの少女クララ(アニカ・ヴィタコプ)がとんでもないことを言い出す(内容はここでは書けません)。
クララ(アニカ・ヴィタコプ)の言ったことは、作り話の類であったが、周りの大人達、そしてテオ(トマス・ボー・ラーセン)もすっかり信じきってしまい、ルーカス(マッツ・ミケルセン)は村中で変態扱い。そもそもクララ(アニカ・ヴィタコプ)はルーカス(マッツ・ミケルセン)の優しさを知っており、彼の事に好感を持っていたのに、なぜルーカス((マッツ・ミケルセン))を陥れるようなことを言い出したのか
最初こそ静かに耐えていたのだが、村中の人間からの嫌がらせはエスカレートするばかり。ルーカス(マッツ・ミケルセン)は自らの尊厳を取り戻すために行動を起こすのだが・・・
それにしても、この映画に登場する大人達はバカばっかり。確かに5歳ぐらいの女の子が嘘を言うなんて思わないが、こんなにも血のつながっていない人間同士の絆とは簡単に切れてしまう物なのか?ちなみに本作は世界一幸福度の高い国デンマークの映画。この映画のどこに幸福を感じることができる部分があったのか俺には思い出せない。
ハリウッド映画と違い、大げさな描写は無い。しかし、絶望感すら漂う主人公に対する不条理すぎる展開は目が離せないし、そして親子の絆の固さに大いに感動できる。満員電車のシーンなんて実は一切無いのだが、それでも冤罪について大いに考えさせれるテーマが日常においてたくさん転がっていることがよくわかる。
なんだか大味なハリウッド映画は見飽きた人、ちょっとばかり社会性のメッセージが込められた作品を観て賢くなった気分を味わいたい人、デンマーク映画はレベルが高いことを知っている人、そして主役がマッツ・ミケルセンと聞いて心が躍る女性ファンにはお勧めだ
偽りなき者 [DVD] | |
マッツ・ミケルセン,トマス・ボー・ラ―セン | |
角川書店 |
監督はトマス・ヴィンターベア。デンマーク映画のレベルの高さを世界中に広める担い手として今後も活躍が期待できる。この監督のお勧めは、ちょっとマニアックな内容ですがラストの銃撃戦は楽しいディア・ウェンディ、いくらデンマークが社会福祉が発達していると言っても、やっぱり働かないと生きていけないことがわかる光のほうへ。
比較的寡作ですがまだ年齢は40歳台半ば、今後は大いに活躍しそうな才能溢れる映画監督です。
主演はマッツ・ミケルセン。ハリウッド映画の大作で見かける時がありますが、やっぱりデンマークで主役級の役を演じると奥の深い演技を見せてくれます。
この人のお勧めはスサンネ・ビア監督の個人的には最も好きな恋愛映画のしあわせな孤独、同じくスサンネ・ビア監督のアフター・ウェディング、ナチスドイツに対するレジスタンスを描いた誰がため、珍しく悪役を演じているダニエル・クレイグ主演の007 カジノ・ロワイヤルもお勧め。
にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします