褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 幽霊と未亡人(1947) ダンディーな幽霊が出てきます

2024年11月30日 | 映画(や行)
 今回紹介する映画幽霊と未亡人は、か弱い女性をとことん怖がらせるホラー映画、というのは嘘。西洋の幽霊の描き方は、日本のように恨めしや~なんて怨念を込められた怖い描き方よりも、少しばかり人間に寄り添うタイプが多い。例えば文豪ディケンズの『クリスマス・キャロル』なんかはその代表例として挙げられるだろう。そして本作に登場する幽霊だが、ダンディーな雰囲気を漂わせながら困っている女性にアドバイスをしてくれる良い人、じゃなくて幽霊。よって、怖さは全くゼロであり、幽霊と綺麗な女性の素敵な交流が描かれる。

 幽霊と未亡人の丁々発止のやり取りが漫才のような面白さを感じさせてくれるストーリーの紹介を。
 ロンドンに住んでいたのだが、若くして未亡人になってしまったルーシー(ジーン・ティアニー)だが、姑と小姑と一緒に生活するのを嫌がって、長い付き合いの家政婦と娘のアンナを連れて家を出ることにする。そして、ルーシーは不動産から、その家だけは止めておけと言われていた海辺にある格安の家を借りることにする。実は今までもその家に住もうとした人が居たのだが、いずれもその日の内に家から出て行ってしまういわくつきの家。なんとその家にはかつての住居人であり船長だったダニエル(レックス・ハリソン)の幽霊が出るのだった。
 最初こそルーシーは幽霊のダニエルが笑い声を立てて登場してきたのに怯えるが、そんなものは一瞬のこと。気の強いルーシーは家から出るどころか、住み続けることを決心するのだが・・・

 ダニエルは自殺したとの噂が広がっているのだが、死の真相に笑わせられた。ルーシーが亡き夫の持ち株を財産として家を借りたところが、株が紙切れになってしまい悩んでいたところを、幽霊のダニエルが素敵なアドバイス提案して家にずっと住めるようにしたりするなど、幽霊と未亡人のやり取りが素敵すぎる。また、ルーシーに新しい彼が出来そうになると、幽霊のダニエルが少し嫉妬しているように思わせるところも良い感じになっている。幽霊と人間の距離関係がベタベタ過ぎないのも非常に心地良さを感じる。
 そしてルーシーの守護霊のようだったダニエルが離れてから長い年月を経ての結末が、少しばかりホロ苦さを感じさせるのも良い。他には演出の巧みさが挙げられるだろう。例えばダニエルの肖像画、望遠鏡、開いたり閉まったりする扉など小道具の使い方が非常に巧みで、一流の監督が撮ったテクニックも堪能できます。
 上質な映画を観たい人、ファンタジックな映画を観たい人、見終わった後に良い映画を観たな~と感動したい人に今回は映画幽霊と未亡人をお勧めに挙げておこう

 監督はジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。いかにも職人肌を感じさせる監督。他ではイヴの総て三人の妻への手紙裸足の伯爵夫人がお勧め








 

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