褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 フィッツカラルド(1982) ロマン溢れる男の行動が笑えます

2015年05月26日 | 映画(は行)
 ときどき、壮大な夢を語る男性を見かけるが、大体がそういう奴に限って何回出会っても同じことばかり言っている。俺は心の中で『おまえ~、早く行動にうつせよ!』とツッコミを入れたりするのだが、その人たちにとって夢は実現するための目的ではなくて、ただ自己陶酔に浸りたいだけらしい。早い話が酔っ払いが何回も同じことを繰り返す愚痴と似たようなものである。
 しかし、今回紹介する映画フィッツカラルドの主人公の男性は、思いつき同然で語りだす夢は非常にはた迷惑だが、とにかく行動力は抜群だ。

 ちなみにタイトル名のフィッツカラルドの意味は、主人公の男性はアイルランド系白人で名前をフィッツジェラルドと言うのだが、南米の原住民には正しく発音できず彼のことをフィッツカラルドと呼ぶことに由来している。ちなみに表向きの内容はフィッツカラルドが未開の土地である南米のアマゾン川流域の奥地イキトス(ペルーの都市)にオペラハウスを建てる夢に向かって突き進む、といったもの。
 ちなみに本作においてもイキトスの風景は映像の中でも出てくるが、ちょっとだけイキトスについて説明しておこう。今でこそ南米のあらゆる都市にオペラハウスなんかは建てられているが、本作の時代背景は1800年代後半のこと。まだまだ西洋の文明が南米に拡がっていない時代だ。しかしながら、世界は産業革命などの重工業の発達によりゴムの需要が激増。無尽蔵にゴムの木が生い茂る南米のアマゾン地域に西洋人たちがやって来て、ゴム栽培及びゴムで一儲けする連中が居座ったのが、かの地イキトス。そのことは本作でもゴム・ブームに乗っかって金持ちになっている西洋人の傲慢さを通して描かれている。そしてこの地は映像の中でも出てくるように現在でも昔ながらの平屋の水上家屋で人が住んでいたり、小船が川沿いに並んでいたりする。
 実はそんな俺のグタグタした説明よりも陸路で行けない世界最大の町と言った方が、『ア~、其処ね!』とわかる人が多いか?よってイキトスに行こうとすれば飛行機か船でしか行けないが、本作が描かれている時代は飛行機なんかは無いから、アマゾン川を渡って船でしか行けないことになるか?。

 実は本作の大きなテーマは、西洋人と南米の原住民(首狩り族も含む)との異文化交流。フィッツカラルドが何故にオペラハウスを未開の地に建てたいと思ったのか?彼の執念が引き起こす行動は驚きでいっぱい。しかし、もっと驚くのが原住民に伝わる神話、そして神話で結ばれて一致団結して彼らの頑張る姿。本当に世界には無数の民族や人種がいるが、お互いに分かり合えそうで、なかなか分かり合えない。
 とにかく何事にも一途に頑張る男って格好良いのか、単なるアホなのか、夢に向かって突き進むフィッツカラルドの行動とは、如何なるものか。
 1800年代の後半の南米において。ブラジルのマナウスにおいて有名なオペラ歌手の公演を聴くために、ペルーのイキトスからはるばるアマゾン川を小船を漕いでやってきたフィッツカラルド(クラウス・キンスキー)とモリー(クラウディア・カルディナーレ)。オペラ歌手の公演に感動したフィッツカラルド(クラウス・キンスキー)はイキトスにオペラ劇場を建てようと思いつく。
 彼はゴム・ブームで大儲けした白人達にオペラ劇場を建てる為の費用を工面しようとするが、誰も彼の話を相手にしない。実はフィッツカラルド(クラウス・キンスキー)はアンデス山脈に鉄道を開通させようとしたことがあるのだが、破産してしまった過去があり、白人達の間では奇人変人扱いされている。
 オペラ劇場を建てる夢を諦めきれないフィッツカラルド(クラウス・キンスキー)は、とっても素敵な方法を思いつく。それは、まだ誰も踏み込むことが出来ないアマゾンの密林に行きゴム園を開拓し大金を儲けること。彼はモリー(クラウディア・カルディナーレ)を説得して大型の船を買うために資金を出してもらって購入し、船に彼女の名前からとってモリー号と名付け、いざ目的地へ出発する。しかし、その目的地に行くためには、急流を通り、浅瀬を通過するなど、船で行けるような場所ではない。しかも、途中には首狩り族の原住民の縄張りを通過しないといけない。だからこそ、今まで誰もその目的地へ行った事が無いのだ。
 しかし、それでも決して絶望的な状況に陥っても、自らの夢を達成するためには諦めないフィッツカラルド(クラウス・キンスキー)は前代未聞のチャレンジを試みるのだが・・・

 圧倒的なアマゾンの大自然は視覚に良いし、ときどき流れてくる音楽は聴覚に良い。アマゾンとオペラの関係が、即ち原住民と西洋人の関係。首狩り族の縄張りをオペラの音楽をガンガン流して通過しようとするシーンは非常に意味深。まさに首狩り族と西洋人の初めての出会いは、今で言えば出会い系サイトで見知らぬ者同士のお互いの自己紹介のように感じたりする。
 フィッツカラルド(クラウス・キンスキー)がジャングルの中でも、白のビジネススーツでネクタイを締めて歩いている姿は何だか違和感があって笑えたり、首狩り族を奴隷同然にコキ使ってのトンデモなチャレンジは驚くし、またその結末も時間と金を無駄使いしたような心境に陥らせる。何はともあれブキッチョだけれど何事も一生懸命な男って意外にモテたりする。とにかくモテるための方法を知りたい男性、チョッと胸がキュンとなりたい女性には映画フィッツカラルドはお勧めだ、ということにしておこう

フィツカラルド [DVD]
ヴェルナー・ヘルツォーク
東北新社


フィツカラルド Blu-ray
クラウス・キンスキー,クラウディア・カルディナーレ,ホセ・レーゴイ,ミゲル・アンヘル・フェンテス
紀伊國屋書店


 監督はドイツ人のヴェルナー・ヘルツォーク。他では本作と同じく南米を舞台にしたアギーレ 神の怒りがお勧め。ニコラス・ケイジのファンの人にはバッド・ルーテナントもお勧めしておこう。

 主演のフィッツカラルドを演じたのが怪優クラウス・キンスキー。あの絶世の美女ナスターシャ・キンスキーのお父さんとして有名か。彼の他のお勧めは、やっぱり本作と同じ監督のアギーレ 神の怒りになってしまいます。逆に他にお勧めがあったら教えて欲しいです。

 何と本作にはフィッツカラルドの良き理解者としてクラウディア・カルディナーレが出演しています。正直なところ本作を彼女見たさで観てしまうとガッカリする人が多いと思います。彼女のお勧め作品はピエトロ・ジェルミ監督、主演の刑事、ルキノ・ヴィスコンティ監督、バート・ランカスター、アラン・ドロン競演の山猫、音楽がとっても素敵なブーベの恋人が良いです。

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