俺が映画好きになったのは西部劇との出会いが切っ掛け。そんな中でも西部劇の魅力がたくさん詰まった作品が今回紹介する映画OK牧場の決斗。「オッケ~、牧場!」といきなり言い出すガッツ石松のギャグにされてしまっているのが何とも不名誉なことだが、映画自体は西部劇の魅力がたくさん詰まった傑作だ。
ちなみにタイトル名のOK牧場の決斗だが、決してガッツ石松のギャグで有名になったのではなく、アメリカ西部のアリゾナ州トゥームストンで、かの有名な保安官ワイアット・アープの兄弟と牛泥棒のクライトン一家の怨念に端を発する銃撃戦でアメリカ西部史においては最も有名な事件だ。アメリカでは超有名な銃撃戦なだけにOK牧場の決闘を題材にした映画はハリウッドではたくさん撮られてきた。そんな中でも最もエンターテイメント性が高いのは本作だろう。
この映画が楽しいのは至近距離で拳銃が向けられるドキドキ感もあるが、やっぱり心が震える男の友情。保安官でありながら昔は早撃ちガンマンとして有名になってしまっているために、今では自身の首に賞金が掛けられてしまっているワイアット・アープ、そしてこちらも昔は歯医者として充分な腕を持ちながら、あらゆる場所で殺人を犯してしまうようなトラブルメーカーのために街を転々としながらも賭博で生計を立て、しかも肺結核に侵されて余命が幾ばくも無いほど落ちぶれているドク・ホリデイ。いつ殺されても仕方がないような2人だが、そんなチョッピリ駄目な欠点が共通項の2人の男同士の友情が熱い。そして、そんな実在の人物をバート・ランカスターとカーク・ダグラスという当時のハリウッドの個性的な大スターが演じているのも本作を大いに楽しい映画にしている。
ワイアット・アープとドク・ホリデイのひょんな出会いから、アメリカ西部史上で最も有名な銃撃戦であるOK牧場の決闘に至るストーリーを簡単に紹介しよう。
ある街においてドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)は酒場で博打の真っ最中。そこへ自分を狙ってやってきた殺し屋を得意のナイフ投げで返り討ちにする。しかし、もはやトラブルメーカーとして悪名が高いドク・ホリデイに味方する者はこの街にはおらず、捕らえられて街の住民からリンチに遭いそうになっている。
そんな時に用事でこの街にたまたまやって来ていたドッジ・シティの保安官であるワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドク・ホリデイの様々な悪事を知っていながらも保安官としての立場上ドク・ホリデイを助けて逃がしてやる。
ドッジ・シティへ帰ってきたワイアット・アープだったが、トゥームストンで保安官をしている兄のヴァージル・アープ(ジョン・ハドソン)から、応援の要請が来る。トゥームストンで牛泥棒を生業にしていて有力者でもあるクライトン一家との仲が悪くなり一発触発の状態なので応援の要請を頼まれたのだ。
しかし、時を同じくしてワイアット・アープを悩ます問題が発生する。トラブルメーカーのドク・ホリデイが何故かドッジ・シティにやって来た。街の治安に不安を感じるワイアット・アープだったが、他ならぬ兄の応援要請のためトゥーム・ストーンに応援に向かうのだが、何とストーカーの如くドク・ホリデイが後ろから追いついてきた。なるべくドク・ホリデイとは一緒に居たくないワイアット・アープだったが、彼らは一緒にトゥーム・ストーンへ向かい、これから死闘を繰り広げることになるOK牧場の決闘へ突き進む・・・
冒頭から流れる「オッケ~イ、コラ~ル♪♪』と流れてくる音楽が格好良くて俺のハートがマジで熱くなる。名作と呼ばれる西部劇にはなぜか素敵な音楽が付いていることが多いが、本作もその例にもれない。最初から大いなる期待をさせてくれるのが嬉しい映画だが、途中も銃を持った怖そうな奴が登場したり、場違いな綺麗なドレスに身を包んだ美女が登場したり、咳き込みながらも熱血漢を感じさせるドク・ホリデイ演じるカーク・ダグラスの熱演は見応え充分だし、ガンファイトもなかなかの迫力を見せるだけに中だるみが無いのが良い。
そしてこの映画は男女の関係についても良く描かれている。ワイアット・アープにも危険な保安官を辞めて結婚しようとする女性が現れたりするが、彼が苦境に陥っている兄弟を助けるのと愛する女性の狭間で苦悩するシーンは男心を描いている。
そしてドク・ホリデイにも娼婦ながら気の強い愛人が居る、しょっちゅう喧嘩したり別れたりしながらも愛の絆を感じさせる。敵対するガンマンに寝取られたりするが、傷つけられたプライドを命を懸けて取りもどそうとする姿が不器用ながらこれまた格好良い。そして、ロクでも無いならず者でありながら、実は義理人情に篤いというキャラクター設定が抜群だ。自分の体調を省みずに友達を助けるために銃を手に取るなんて素敵すぎる。
日本の人口減少なみに少なくなってきた西部劇が好きな人、西部劇に対して偏見を持っている人、男同士の友情に痺れる人、そしてガッツ石松がなぜ「オッケ~、牧場」と受けないギャグを言っているのか知りたり人等にはOK牧場の決斗をお勧め映画として挙げておこう。
ちなみに監督はジョン・スタージェス。アクション映画の分野で傑作を遺しています。賛否両論あるけれどやっぱり面白い黒澤明監督の七人の侍のリメイク荒野の七人、ドイツ収容所からの脱出劇を一切暗くならずにスポーツ感覚で描いているかのような大脱走がお勧めです。
ちなみにタイトル名のOK牧場の決斗だが、決してガッツ石松のギャグで有名になったのではなく、アメリカ西部のアリゾナ州トゥームストンで、かの有名な保安官ワイアット・アープの兄弟と牛泥棒のクライトン一家の怨念に端を発する銃撃戦でアメリカ西部史においては最も有名な事件だ。アメリカでは超有名な銃撃戦なだけにOK牧場の決闘を題材にした映画はハリウッドではたくさん撮られてきた。そんな中でも最もエンターテイメント性が高いのは本作だろう。
この映画が楽しいのは至近距離で拳銃が向けられるドキドキ感もあるが、やっぱり心が震える男の友情。保安官でありながら昔は早撃ちガンマンとして有名になってしまっているために、今では自身の首に賞金が掛けられてしまっているワイアット・アープ、そしてこちらも昔は歯医者として充分な腕を持ちながら、あらゆる場所で殺人を犯してしまうようなトラブルメーカーのために街を転々としながらも賭博で生計を立て、しかも肺結核に侵されて余命が幾ばくも無いほど落ちぶれているドク・ホリデイ。いつ殺されても仕方がないような2人だが、そんなチョッピリ駄目な欠点が共通項の2人の男同士の友情が熱い。そして、そんな実在の人物をバート・ランカスターとカーク・ダグラスという当時のハリウッドの個性的な大スターが演じているのも本作を大いに楽しい映画にしている。
ワイアット・アープとドク・ホリデイのひょんな出会いから、アメリカ西部史上で最も有名な銃撃戦であるOK牧場の決闘に至るストーリーを簡単に紹介しよう。
ある街においてドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)は酒場で博打の真っ最中。そこへ自分を狙ってやってきた殺し屋を得意のナイフ投げで返り討ちにする。しかし、もはやトラブルメーカーとして悪名が高いドク・ホリデイに味方する者はこの街にはおらず、捕らえられて街の住民からリンチに遭いそうになっている。
そんな時に用事でこの街にたまたまやって来ていたドッジ・シティの保安官であるワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドク・ホリデイの様々な悪事を知っていながらも保安官としての立場上ドク・ホリデイを助けて逃がしてやる。
ドッジ・シティへ帰ってきたワイアット・アープだったが、トゥームストンで保安官をしている兄のヴァージル・アープ(ジョン・ハドソン)から、応援の要請が来る。トゥームストンで牛泥棒を生業にしていて有力者でもあるクライトン一家との仲が悪くなり一発触発の状態なので応援の要請を頼まれたのだ。
しかし、時を同じくしてワイアット・アープを悩ます問題が発生する。トラブルメーカーのドク・ホリデイが何故かドッジ・シティにやって来た。街の治安に不安を感じるワイアット・アープだったが、他ならぬ兄の応援要請のためトゥーム・ストーンに応援に向かうのだが、何とストーカーの如くドク・ホリデイが後ろから追いついてきた。なるべくドク・ホリデイとは一緒に居たくないワイアット・アープだったが、彼らは一緒にトゥーム・ストーンへ向かい、これから死闘を繰り広げることになるOK牧場の決闘へ突き進む・・・
冒頭から流れる「オッケ~イ、コラ~ル♪♪』と流れてくる音楽が格好良くて俺のハートがマジで熱くなる。名作と呼ばれる西部劇にはなぜか素敵な音楽が付いていることが多いが、本作もその例にもれない。最初から大いなる期待をさせてくれるのが嬉しい映画だが、途中も銃を持った怖そうな奴が登場したり、場違いな綺麗なドレスに身を包んだ美女が登場したり、咳き込みながらも熱血漢を感じさせるドク・ホリデイ演じるカーク・ダグラスの熱演は見応え充分だし、ガンファイトもなかなかの迫力を見せるだけに中だるみが無いのが良い。
そしてこの映画は男女の関係についても良く描かれている。ワイアット・アープにも危険な保安官を辞めて結婚しようとする女性が現れたりするが、彼が苦境に陥っている兄弟を助けるのと愛する女性の狭間で苦悩するシーンは男心を描いている。
そしてドク・ホリデイにも娼婦ながら気の強い愛人が居る、しょっちゅう喧嘩したり別れたりしながらも愛の絆を感じさせる。敵対するガンマンに寝取られたりするが、傷つけられたプライドを命を懸けて取りもどそうとする姿が不器用ながらこれまた格好良い。そして、ロクでも無いならず者でありながら、実は義理人情に篤いというキャラクター設定が抜群だ。自分の体調を省みずに友達を助けるために銃を手に取るなんて素敵すぎる。
日本の人口減少なみに少なくなってきた西部劇が好きな人、西部劇に対して偏見を持っている人、男同士の友情に痺れる人、そしてガッツ石松がなぜ「オッケ~、牧場」と受けないギャグを言っているのか知りたり人等にはOK牧場の決斗をお勧め映画として挙げておこう。
OK牧場の決斗 [DVD] | |
バート・ランカスター,カーク・ダグラス | |
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン |
ちなみに監督はジョン・スタージェス。アクション映画の分野で傑作を遺しています。賛否両論あるけれどやっぱり面白い黒澤明監督の七人の侍のリメイク荒野の七人、ドイツ収容所からの脱出劇を一切暗くならずにスポーツ感覚で描いているかのような大脱走がお勧めです。