褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 シャーロックホームズの冒険(1970) シャーロック・ホームズが20世紀最大のミステリーに迫る?

2019年07月27日 | 映画(さ行)
 推理小説家であるコナン・ドイルが生み出した私立探偵シャーロック・ホームズ。頭脳明晰にして観察力は抜群。そんな彼が大活躍するホームズシリーズは19世紀の末に発刊されてから現在においても根強い人気を誇っている。そういえば、少し前にもガイ・リッチー監督でその名もずばりシャーロック・ホームズという映画があった。さて、本作と同じ題名の推理小説があるが今回紹介する映画版シャーロックホームズの冒険は名匠ビリー・ワイルダーI・A・L・ダイアモンドの名作を多く生み出した黄金タッグによる共同脚本によるオリジナルストーリだ。
 もちろん本作においてもシャーロック・ホームズの頼りになる相棒であるワトスン医師も登場するし、イギリス政府の重要役人である兄のマイクロフト・ホームズも登場する。そして登場人物のキャラ設定はホームズシリーズと殆ど同じ。しかし、黄金タッグの脚本による映画版はシャーロック・ホームズとワトスン医師の掛け合いで、けっこう笑わせてくれる。
 そして、何と言ってもオリジナルらしさを感じさせるのが俺が物心ついた時から噂されていた20世紀最大の怪獣伝説が折り込まれているところ。頼まれた難事件解決のついでに20世紀最大のミステリーも解決してしまうとは、さすがは英国ナンバーワンの頭脳をもっているシャーロック・ホームズ。そして今までワトスン医師は名探偵の足を引っ張るだけの存在だと思っていたのだが、それは俺の大きな勘違い。彼の存在が無ければシャーロック・ホームズの名は永遠に埋もれていたことを冒頭の場面から教えてくれる。
 
 名探偵シャーロック・ホームズの超人的な活躍を見るというよりも、ちょっぴり切ない気分にさせてくれるストーリーの紹介を。
 医者であるジョン・ワトスン(コリン・ブレークリー)の遺言にしたがって、彼の死後50年後に銀行に預けられた未公開文書が開かれる。そこには驚くべきシャーロック・ホームズ(ロバート・スティーブンス)についての秘密が隠されていた。
 19世紀末のロンドンにおいて。ホームズとワトスンの間に少々亀裂が走りかけたある日の夜のこと。ずぶ濡れになった美魔女風の女性が運び込まれる。しかも、その女性は記憶喪失にかかっており打撲の傷の痕跡も見られた。観察力と鋭い推察力でホームズは彼女の持ち物からその女性の正体がベルギー人で名前をガブリエル(ジュヌビェーヴ・パージュ)であることを知る。ホームズは機転を利かせて記憶を蘇らせ、彼女が訪れてきた理由が夫の捜索であることを知る。ホームズは早速行動を開始しようとするが、英国政府の役人である兄のマイクロソフト・ホームズ(クリストファー・リー)から、何故か今回は止めておけ!と釘をさされる。
 しかし、そんな妨害などものともしないホームズはワトスンやガブリエルと身分を偽りながら捜査を続け、事件の鍵となるスコットランドのネス湖に向かうのだが、伝説の怪獣であるネッシーを目の当たりにしてしまい・・・

 さて、シャーロック・ホームズだが事件が無い時は下宿先であるベーカー街221Bで科学の研究に勤しんでいるのだが、その熱心さは麻薬にまで手を出してしまうほど。助手であり、医者でもあるワトスンも忠告はするのだが、マイペースなホームズは彼の言うことには耳を貸さない。本作はミステリー映画の部類に入ると思うが、ホームズの私生活が垣間見られたりするところにも興味が惹かれる。
 しかし、本作を観れば改めて思わせるがビリー・ワイルダー監督は職人であること。パラソル、白いカナリア、小人達、アイテムなど小道具を巧みに使う。この熟練されたテクニックは今の映画監督に最も欠けている部分だろう。それほどハラハラドキドキすることはないが、事件解決後にはちょっぴりセンチメンタルな気分になったりで余韻が残る。
 コナン・ドイルのホームズが活躍するシリーズが好きな人、ビリー・ワイルダー監督の映画が好きな人、ネッシーって懐かしいと感じた人、笑えるシャーロック・ホームズの映画を観たい人等に今回はシャーロック・ホームズの冒険をお勧め映画として挙げておこう

シャーロック・ホームズの冒険 (特別編) [DVD]
ロバート・スティーブンス,コリン・ブレイクリー,アイリーン・ハンドル
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したビリー・ワイルダー。人間ドラマ、サスペンス、コメディ、社会風刺とあるゆる分野に名作を遺した名監督。あえて一本だけをお勧めとしてあげるとアパートの鍵貸しますが良い。



 

 

 
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