夜の道が暗い。と嘆いたり、不平を言うよりも、夜空を見あげれば、満天の星が観えるではないか。星の点在する位置で、季節が、同時に時間がわかる。オリオンが東から南に傾いた。春の宇宙に変わりつつ、冬の名残を留めている。
自然の暮らしをおくることは、少しばかりの不自由さを認め、体を動かし、頭を使うことにもある。じっとしていては、何も起こらない。雨が降れば濡れるから、屋根をかけたり、壁で防がなければならない。食べ物も採るだけではなくなる。増やさねば絶えてしまう。
病気にならない工夫もいる。何でも食べられるのではなく、乾燥させたり、保存しなければならない。自分以外の者から、それらを守らねばならない。また他の物と交換して、不足の物を補わなければ、生活が成り立たない。
或いは、得意なことと、そうでないこともあり、お互いの持ち味を認め、取引をしなければ、生活への支障も出る。寒暖の差による作物の出来や、そこにしかできない特産物もあろう。お金さえ出せば、何でも買える世の中が間違っている。
豊かな暮らしは、ありのままの生活を壊し、自分勝手な考えに至る。無い物強請りをする。物は溢れ返るが、心が乏しくなり、援けあうことはない。自然への驚異は、あらゆることへの警告かもしれない。見過ごしていることかも。
枇杷葉に溢れる花芽。すごくいい匂いがするよ。