リコーGX200 24ミリ相当
井の頭池はこのような噴水が彼方此方にあります。これは水質を保全するための物と聞いています。
私は子どもの頃から二十数年井の頭公園のすぐ近くに住み、公園は我が家の庭のようにして遊んだものです。今から70年も昔のことです。
当時はこのような噴水は勿論ありませんでした。池は透明に澄み渡り水深は浅いところでも2メートル以上、深いところは5メートルにも達したところもありました。
水温は湧水のため年間を通じてやく15度くらいだったでしょうか。凄く冷たい水でした。
この池の水は流れて神田川の源流になっています。
池は水底まで透明で、水草が茂り、ヒメマス、ハヤ、ウグイ、タナゴ、鯉、川エビなど綺麗な水にしか生息しない魚たちが泳ぐのが手に取るように見えたものです。勿論釣りは禁止でした。一時間おき位に公園の管理人が巡回して不心得ものを監視していました。
弁天様の手水場たら見た噴水。
噴水の見える木立で憩う若い人たち、昔のことは知るよしも無く、このように濁った池でも綺麗・・・と感じているのでしょうね。
昔は湧水は公園内の至る所から湧き出し、池の周りは杉の大木が林立し、昼なお暗いといった秘境的なたたずまいで、園内はあたかも湿地帯の如く何処に足を踏み入れても水が染み出るといったところでした。
戦時中に軍隊が駐屯し、杉は殆ど伐採され、池の魚は食用に捕獲され全くいなくなりました。昭和19年末だったか20年初めだったか記憶は定かではありませんが、米軍によって誤って、時限爆弾が投下され、その爆発により池の形も少し変わってしまったようです。爆発は時間を置いて3日間ほど続き、その間避難させられた記憶があります。終戦とともに宅地開発が進み湧水源は枯渇し、湧水は全くなくなり、現在は井戸を掘り、汲み上げた水を池に流すといった方法になっています。
昔を知る私としてはなんとも寂しい限りです。