武蔵野の風景
失敗は仕方がないとして気を撮り直して歩き始める。
長靴を通して雪の冷たさが浸み込んでくる。
暫くして恋ヶ窪樹林地と云う雑木林に入った。
普段は何とはない林だが雪景色となると格別の趣がある。
モノクロームの感じの世界に散り残った木の葉が彩りを添える。
くの字にに曲がった木が面白かった。
雑木林を出るとそこには武蔵野の風景が目の前に広がっていた。
茶の木の垣根に雪が積もり、遠くに欅の木と農家の屋根、今も残る武蔵野の面影だ。
カメラを右に振る。
屋敷林、畑、茶ノ木に積もる雪。
雪の無い時の風景とはがらりと様相を変える。
この頃にはいちいち撮影後に写り具合を確認するようにしている。
この作業も傘を差しながらでの片手操作はやりにくい。
その上雪が容赦なくカメラに降りかかる。
ボデーには雪がかかっても仕方がないとして、レンズには雪が付かないように気を使う。
雪の日の撮影はしんどい。