映画看板その2
入り口の映画看板に感動したが、さらに奥に進むと、あるある大型の看板が彼方此方に展示されていた。
嵐寛寿郎の鞍馬天狗、高田浩吉(歌が歌える俳優)の女肌地獄。懐かしい。
上を見ると東千代之介の里見八犬伝。
この映画は確か何篇かに分かれていたような記憶がある。
市川歌右衛門の千両獅子、市川歌右衛門は当時時代劇の王様だった。
「旗本退屈男」の天下御免の向こう傷が売り物の旗本役は正にうってつけの役柄だった。
原節子、老骨の大ファンだった。
美しい容貌もさる事ながら、鼻に掛かったような声がたまらない魅力だった。
当時の写真家で松島進と云う作家がいた。
主に映画俳優のポートレートを撮影していたが、特に原節子の写真が魅力的だった。
この写真を見て自分もこんな写真を写す事が出来る写真家になりたいと憧れていたものだ。
ある部屋の天井近くには大型の映画看板がずらりと並んでいた。
若くして亡くなった赤木圭一郎の「紅の拳銃」
赤木圭一郎は確かゴーカートの事故により無くなったと云う記憶がある。(間違っているかも知れない)
初代水戸黄門の月形龍之介、若き頃の中村錦之助と東千代之介の格さん助さん、完全懲悪の面白さはその後何代も続き、テレビドラマにも発展していった。
小津安二郎監督の名作「東京物語」原節子、笠智衆の親子の物語だ。
この映画は3~4回は見ているだろう。
「キューポラのある街」若き頃の吉永小百合の出演。
この頃の吉永小百合は「小百合スト」と呼ばれるファンが日本全国にあふれていた。
これだけ多くの看板を見る事が出来て本当に嬉しかった。
映画好きを自認する老骨の映画漬けだった若き日を思い出す事が出来、懐かしかった。