10月1日・中秋の名月
10月1日夜、冴えわたる秋空に満月が浮かび上がっていた。
中秋の名月と呼ばれる美しい姿だ。
子供の頃、今では考えられないような本当の話。
中秋の名月を愛でる月見の催し?と云うか昔からの習慣と云うのか、各家庭でススキとお団子を縁先に供え、月見をを楽しむ風習のようなものが有った。
そして子供たちがそのお団子を家人の目を盗み失敬する事が許されていた。
老骨の家でも月見団子を供えていたことを思い出す。
そしてガキ大将の命令で、団子を失敬しやすい家庭を選び月見団子を失敬する事が当たり前のような時代だった。
今では考えられないようなガキ大将の存在だ。
ガキ大将は、近所の子供たちの一番年上の男の子で、大体旧制中学高学年の少年だった。
近所の子供たちを集めて遊んだり、時には柿の実を失敬させたりすることもあったが、年下の子供たちの面倒を良く見てくれた。
我が家の路地には何時も近所の子供たちが10数人集まって遊んでいたものだ。
夕方になると○○ちゃんご飯だよ~と親が迎えに来る。
一人二人と遊びの輪から抜けるとそれが合図のように遊びは終わり各自の家に帰る。
今思い出すと、現代の子供たちが味わえない楽しさと連帯感のある日常生活が当たり前の時代だった。
こんな時代はもう来ないのだろうと思うと一寸寂しい感じがする。