京都国際漫画ミュージアム。御池の町の真ん中にある廃校を漫画の
図書館にしてある。カフェも併設。中庭に寝そべって日永漫画を読むことができる。漫画読むとバカになる・・・なんて言われた時代の子だった僕には隔世の感あり。杉浦茂の特別展が行われている。
独特なアフォリズムは漫画に幾度も登場している。
「くうふくにまずいものなし」ホントだなぁ。
昭和30年代、杉浦茂の漫画で大笑いしたことはないが、なんだか律儀な画風に、妙に腹のへるネタが多くて、子供には印象深い。
カツ丼がよく出てきた。「なんでぇ、クジラかぁ、ちぇっ、安いかつ丼だぁ」なんてくだりは今も覚えている。
猿飛佐助、孫悟空、少年児雷也などの立川文庫ネタのようなものから、弾丸トミーなどの西部劇マンガもある。
杉浦は「のらくろ」の田川水泡門下。ずいぶんと息の長い漫画家だった。少年キングだったかな、インキの匂いを鮮烈に思い出した。
もっとも印象深いキャラが、このコロッケ五えんの助。
「5円のコロッケじゃおいしくあるまいが」なんて言わせている。
猿飛佐助にかかれば、ただのコロッケにされてしまう。
五円の助、手を合わせて「おたおた、おたすけ~」。
食い気専門のガキには、舟に入ったコロッケの上のラードの染みたハトロン紙を思い浮かべ、腹がぐ~っと減ったもんだ。
これは徳川一の忍術使い、風船ガムすけ。
感動的なのは今回の画展によせて、一流漫画家たちがおそらく無償で杉浦漫画のキャラクターを描いて寄せていること。
藤子不二男A、ちばてつや、長谷邦夫、佐伯俊男、夏目房之助(彼の模写が一番上手かった)その他、大勢。
赤塚不二夫も、杉浦茂の漫画からのインスパイア組なのだ。
レレレのおじさんは杉浦ワールドからの借用モデル。
うどんこプップのすけ
脱力キャラ、満載!
真田十勇士のマグカップを買っちまった。ちょいと自慢だぞぅ。
子供向け漫画の最も幸せだった時代。まだ作家が自分のペースでゆっくり描けた。マガジン、サンデー、ジャンプなどの週刊誌黄金時代は、まだ始まっていなかった。
京都国際マンガミュージアム 「杉浦茂101年祭展」
京都市中京区烏丸御池上ル